マンション不法侵入

マンション管理人、好意を抱き「奥さんの部屋を見てみたい」【悪用されたマスターキー③】/鹿児島ポスト

yakushima-post

管理人と入居者の関係を超えて「奥さんに女性的な魅力を感じた」→ 欲求が高まりマスターキーを手に留守宅へ

【左】マンション管理人が逮捕され、事情聴取を受けた鹿児島中央警察署(Wikimedia Commons より)【右】マンションの管理人が持ち歩いていたマスターキー。左の「2015 New Master」と記載された鍵を使って被害者の部屋に侵入した(被害者に開示された事件記録より※鍵の形状を伏せるために一部でモザイク加工をしています)


 鹿児島市内にあるマンションの管理人がマスターキーを使って留守宅に侵入し、女性の下着を物色したとして、警察に逮捕された――。

 それにもかかわらず、マスコミは取材も報道もせず、マンションの管理会社は被害に遭った夫妻に謝罪も補償もすることなく、ずっと沈黙を続けた。

 だが、逮捕された管理人は違った。鹿児島中央警察署の取り調べ室で、刑事の事情聴取に素直に応じたのだ。

管理人と入居者、初めは「良好な関係」だったが・・・
 このマンションで管理人が働き始めたのは2017年からで、事件を起こした時点で、すでに7年が経っていた。被害者夫妻が入居したのは被害に遭う1年9カ月前で、管理人は「旦那さんと奥さん共々、本当にいい人で、マンション内で顔を合わせると、必ず挨拶もしてくれるし、よく雑談などもしていました」と言った。そして、妻については「見た目も綺麗で、人当たりや性格も良く、マンション管理人という立場ですが、他人の私に対しても、分け隔てなく接してくれていました」と語った。

管理人、自宅畑で作った野菜でお土産のお返し
 管理人と入居者。親しいながらも、単にそれだけの関係だったが、時が経つにつれて、管理人の感情に変化が生まれた。

 管理人は自宅の畑で作った野菜を複数の入居者に配り、各世帯の婦人たちと親しくしていた。そして、被害に遭うことになる妻には何度も野菜を届けたり、部屋に上がり込んで網戸を直したりしているうちに、管理人は「いつしか、恋愛感情とまではいきませんが、性格もよく、綺麗な人だなと、好意的な感情を持つようになった」という。さらには、「そのような感情が大きくなり、奥さんに女性的な魅力を感じていきました」と言った。

 そして、妻に対する管理人の感情は高まり、「奥さんに対して、強く興味を持つようになり、どんな部屋で生活しているんだろうといった気持ちを持つようになった」という。やがて、その欲求はさらに大きくになり、「奥さんの部屋を見てみたい、部屋に入ってみたい」とまで思うようになった。

駐車場に車がないことを確認して留守宅へ
 そんな管理人の思いが極まったのは、2024年6月1日早朝。マンションの駐車場でごみ拾いをしている際に、夫妻の車が停まっていないことに気づいてからだった。

 管理人は「早い時間に外出しているな」と思ったが、そのまま作業を続けたのちに8階へ上がり、リフォーム工事をしている部屋の状況を確認した。続いて7階に下りて、廊下などの共用部分を見回りしているうちに、ふと夫妻宅の玄関が目に入り、「駐車場に車がなかったから、不在かもしれない」「彼女が住んでいる部屋を見てみようかな」という考えが頭の中をよぎった。

 その欲求を抑えられなくなった管理人は、いつも腰からぶら下げているマスターキーに手を延ばした。そして、まずはインターフォンのボタンを押して夫妻の不在を確認し、「奥さんの部屋を見てみたい」との一心で、マスターキーを玄関のドアノブに差し込んだ。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました