首長学歴調査

わが市町村長の学歴は大丈夫か? 鹿児島県の自治体7割が証明文書を未確認/鹿児島ポスト

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卒業証書などで確認、全43市町村中で12市町 → 11市町は元自治体職員を理由に確認せず

阿久根と出水の2市は「回答を差し控える」

伊東市長の学歴詐称疑惑を受けて独自調査

鹿児島県内にある全43市町村の地図=鹿児島県ウェブサイトより

 鹿児島県内の各市町村長の最終学歴はどのように確認されているのか?

 静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑を受けて、鹿児島ポストが鹿児島県内にある全43市町村に対して実施した調査が9月12日に終わった。

 その結果、卒業証書や卒業証明書で最終学歴を確認していると回答したのは7市町で、全体の約2割弱に留まった。今回の調査を受けて、初めて確認した5市町を含めると計12市町になるが、それでも全体の約7割の市町村が、正式な証明文書で最終学歴を確認していないことがわかった。

 この調査は鹿児島ポストが8月15日から実施し、すでに調査済みの屋久島町を除く42市町村にメールで質問を送付。「回答を差し控える」と返信があった2市を含め、9月12日までに全43市町村の調査結果がまとまった。

指宿や屋久島など5市町、今回の調査で初めて確認
 まず、卒業証書や卒業証明書で確認済みと回答したのは、枕崎市、薩摩川内市、霧島市、奄美市、さつま町、湧水町、南種子町の7市町で、全体の約2割弱に留まった。また、今回の調査を受けて、初めて確認した指宿市、屋久島町、龍郷町、徳之島町、天城町の5市町を含めると計12市町になるが、全体の3割に満たなかった。三島村については、これまで未確認だったが、今後は現村長も含めて確認する方向で検討すると答えた。


西之表や東串良など4市町、校友会名簿などで確認

 続いて、卒業生に送付された案内文書や校友会名簿で確認したと回答したのは、西之表市、日置市、東串良町、瀬戸内町の4市町だった。


鹿屋や志布志など11市町は首長が元自治体職員

 さらに、県や市町の元職員であることを理由に、首長就任後に確認していないと回答したのは、鹿屋市、曽於市、いちき串木野市、志布志市、伊佐市、長島町、大崎町、錦江町、南大隅町、肝付町、喜界町の11市町だった。


南九州や宇検など5市町村「法的根拠がない」と確認せず

 その一方、「法的な根拠がない」「首長の資格要件に該当しない」として、最終学歴を確認する必要はないという旨の回答をしたのは、南九州市、十島村、大和村、宇検村、伊仙町の5市町村だった。


阿久根市と出水市「回答を差し控える理由も回答しない」

 また、調査の質問に答えず、「回答を差し控える理由も含めて回答しない」と返信したのは、阿久根市、出水市の2市だった。

伊東市議会の不信任決議案を受けて、田久保真紀市長が議会を解散したことを伝える新潟日報の記事=47NEWSより(※著作権保護のため記事本文にモザイク加工をしています)


学歴詐称疑惑で大混乱の伊東市政

 伊東市長の学歴詐称疑惑が発覚してから2カ月あまり。同市議会が突き付けた不信任決議に対し、田久保市長は9月10日、「広く市民に信を問うべき」として議会を解散した。

 首長就任に学歴の要件はないが、その学歴をめぐって伊東市政が大混乱に陥っている状況を踏まえると、各自治体には適切な対応が求められている。

※全43市町村の具体的な回答内容は追って記事を配信します。

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