「1円訴訟」に弁護士費用66万円の不思議、法務事務専門員なら無料なのに【議会取材の自由を守る訴訟】
法務事務専門員、複数の訴訟で町代理人の実績 → それなのに町、弁護士事務所に66万円を支出へ
屋久島ポスト、町に負担をかけないために「1円訴訟」

なぜ、屋久島町は法務事務専門員に訴訟の代理人を頼まないのでしょう??
屋久島ポストが提起した「議会取材の自由を守る訴訟」に向けて、町が代理人の弁護士費用に66万円の予算を計上すると聞いて、私たちは驚いています。町には訴訟の指定代理人を務めることができる法務事務専門員がいて、無料で依頼できるからです。
 町職員によると、専門員の河野通孝さんは行政問題に強い元弁護士で、長年にわたり町の法律顧問として仕事を続けています。山海留学体罰訴訟(2018年)、入山協力金横領事件訴訟(2020年)、補助金不正請求事件の住民訴訟(2022年)、町長交際費問題の住民訴訟(2023年)では町側の指定代理人として、答弁書や訴状、準備書面などを作成して、弁護士と同等に働いてきた実績があります。
「河野専門員に代理人を依頼してほしい」
 今回の訴訟で、屋久島ポストが町に請求する損害賠償額を「1円」にしたのは、もし私たちが勝訴したとしても、町に金銭的な負担をかけないためです。そして、合理的な理由もなく議会取材を拒否し続けた石田尾茂樹議長の判断が、「法の下の平等」や「表現の自由」を保障した憲法に違反するかどうか、法的な判断を仰ぎたいからです。
町の公金を無駄に使いたくない。そう思って提起した「1円訴訟」なのに、その弁護士費用に66万円も支出されては困ります。ここは一つ、無料で指定代理人になってもらえる河野専門員に依頼してほしいと、私たちは願っています。

屋久島ポストが提起した「議会取材の自由を守る訴訟」について説明する屋久島町の荒木耕治町長(左)。後ろは同町議会の石田尾茂樹議長=2025年6月9日、屋久島町議会
石田尾議長、「禁止」から一転「許可」の理由説明を拒否
 そもそもですが、約3年半にわたって屋久島ポストの議会取材を禁止し続けたのち、今年4月に一転して許可したのは石田尾議長です。私たちが「禁止」から「許可」に転じた理由を尋ねても、石田尾議長は「議長判断です」と言うだけで、具体的な理由を説明しようとはせず、実質的に回答を拒否しています。
その経緯を踏まえ、訴状で私たちは、石田尾議長は合理的な理由がないにもかかわらず、屋久島ポストを議会から排除したと主張しています。
もし、町が勝訴すればいいです。その一方、もし敗訴したら、石田尾議長はどうするのでしょう。自分の判断が間違っていたと認定された訴訟に、町の公金から66万円も支出したとなれば、その責任は極めて重いものとなります。
今からでも遅くありません。荒木耕治町長をはじめとする町執行部は、今回の訴訟の代理人を河野専門員に頼むべきです。どうか町民の公金を無駄に使わないでください。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。

 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											