第1回口頭弁論、8月6日に決定【議会取材の自由を守る訴訟】/屋久島ポスト
屋久島ポスト、共同代表が鹿児島地裁に出廷 2回目以降はウェブ会議
町、訴訟3件に計462万円の着手金を支出

屋久島町議会(石田尾茂樹議長)がネットメディアなどの議会取材を拒否しているのは、「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、市民メディア「屋久島ポスト」が町を相手取って提起した「1円訴訟」――。
 この訴訟の第1回口頭弁論が、8月6日に鹿児島地裁で開かれることが決まりました。屋久島ポストは弁護士に頼らず、本人訴訟で裁判に臨みます。なので、法廷に行く費用を節約するために、ウェブ会議での裁判を希望していました。しかし、地裁から「初回だけは法廷に来てほしい」と言われたため、共同代表の鹿島幹男と武田剛が鹿児島市を訪ねることになりました。
町民に開かれた議会をめざして
 いま現在、高速船で屋久島と鹿児島市を往復すると、離島割引で乗船しても1人1万4500円かかります。これに宿泊代が加われば、2人で計5万円ほどの負担となり、何とも痛い出費ではありますが、広く町民に開かれた町議会にするためにはやむを得ません。
町の代理人、法務事務専門員なら無料だった
 一方で地裁の書記官によると、屋久島町は鹿児島市にある和田久法律事務所の新倉哲朗弁護士に代理人を依頼したそうです。私たちとしては、無料で依頼できる町法務事務専門員に指定代理人になってほしいと願っていました。ところが、専門員から「体力的なことから今後は相談業務に専念したい」との申し出があったため、町は同事務所と着手金66万円で契約することになりました。
 ちなみにですが、法務事務専門員には町から年間144万円の報酬が支払われています。そして、これまでも同額の報酬で、住民訴訟や損害賠償請求訴訟の指定代理人を数多く担当してもらっていました。なので、こうなると町には、その報酬を減額して節約してもらい、今後の訴訟費用に充ててほしいものです。
町長が最も頼りにする弁護士
 ところで、荒木耕治町長にとって、新倉弁護士は最も頼りにしている弁護士です。荒木町長による出張旅費着服事件の際には、新倉弁護士が不正調査や記者会見などを仕切りました。また、町営牧場の職員が過重労働で死亡した問題をめぐる損害賠償請求や、海底清掃事業の支出に対する住民訴訟でも代理人を務めています。
町が新倉弁護士に支払った着手金は、過重労働死訴訟で330万円、海底清掃住民訴訟で66万円です。そして、今回の66万円を含めると、着手金の合計は462万円にもなります。
なので、私たちとしては、法務事務専門に無料で指定代理人をしてもらいたかったので、とても残念でなりません。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。

 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											