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法務事務専門員「年齢的 体力的」に今後は相談業務に専念
弁護士費用66万円、住民訴訟の着手金と同額に設定

屋久島町議会の議事を進める石田尾茂樹議長を撮影する屋久島ポストのビデオカメラ=2025年6月20日、屋久島町議会
 屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が独立系ネットメディアなどの議会取材を拒否しているのは「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」をめぐり、同町議会は6月20日、訴訟代理人の弁護士費用66万円などを盛り込んだ補正予算案を賛成多数で可決しました。
法務事務専門員なら無料で頼めたのに……
 私たちとしては、無料で代理人をしてもらえる町法務事務専門員にお願いしてほしかったので、議会取材をしながら残念な気持ちになりました。
その法務事務専門員について、一部の町議から「これまで数多くの訴訟で指定代理人をしてきたのに、今回はなぜ頼めないのか?」と質問が出されました。これに対し総務課長が答弁に立ち、専門員から年齢的、体力的なことから今後は相談業務に専念したい旨の申し出があったため、今回は弁護士に依頼することにしたという説明がありました。
争う理由は「憲法違反かどうか判断がつかないため」
 また、別の町議からは、「いまは(屋久島ポストに)取材を認めているので、争う理由がないのではないか?」「1円訴訟に66万円の弁護士費用は高すぎるのではないか?」といった質問が出されました。
この質問についても、総務課長が答弁しました。
まず、裁判で争う理由は、取材を禁止したことが、憲法が保障する「法の下の平等」と「表現の自由」に違反すると訴状に書かれているため、「私たち事務方では、違法性があるのかないのか判断がつかないので、今回しっかりと弁護士と相談をして判断したいと思っている」という説明がありました。
また、弁護士費用66万円の妥当性については、海底清掃事業をめぐる住民訴訟でも着手金が66万円だったため、今回も同額に設定したということでした。

荒木耕治町長(左)が説明する補正予算案の提案理由を聞く石田尾茂樹議長=2025年6月20日、屋久島町議会
「1円訴訟」の成功報酬はどうなるのか?
 屋久島ポストの取材によると、海底清掃事業の住民訴訟で町は、着手金66万円と成功報酬66万円(上限額)という条件で鹿児島市内の法律事務所と契約しています。そうなると、今回は「1円訴訟」なので、成功報酬があるのかどうか、気になるところです。
いずれにしろ、石田尾議長が屋久島ポストを議会取材から締め出した行為は、議長の裁量権を大きく逸脱しており、憲法に反する判断であると、私たちは考えています。近く始まる裁判では、その点をしっかり主張していくつもりです。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。

 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											