議会取材の自由を守る訴訟

屋久島町長、「議会取材の自由を守る訴訟」について町議会で報告

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町、弁護士費用の予算案を議会最終日に提案へ

屋久島町議会6月定例会 初日

【動画】屋久島ポストが提起した「議会取材の自由を守る訴訟」について説明する屋久島町の荒木耕治町長(左)。後ろは同町議会の石田尾茂樹議長=2025年6月9日、屋久島町議会

 屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が独立系ネットメディアなどの議会取材を拒否しているのは「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」について、同町の荒木耕治町長は6月9日、町議会定例会で全町議に報告しました。そして今後、訴訟の代理人を務める弁護士を選任したうえで、定例会最終日の6月20日に弁護士費用を盛り込んだ予算案を提案することを明らかにしました。

 屋久島ポストは2021年11月の創刊以来、約3年半にわたって議会取材(撮影と録音)を禁止されてきましたが、この6月定例会から一転して許可されました。しかしながら、「禁止」から「許可」に転じた理由について、取材の可否を判断している石田尾議長は「議長判断」とだけ言って、具体的には全く説明していません。また、許可する期間を2025年9月末日までと限定しています。そのため、屋久島ポストとしては、再び取材を禁止される可能性があることを懸念して、この訴訟を提起するに至りました。

屋久島町議会の様子を記録する屋久島ポストのビデオカメラ=2025年6月9日、屋久島町議会

屋久島ポスト、一転「許可」で傍聴席からビデオ撮影
 この日の町議会で、屋久島ポストは傍聴席で三脚を構えて、荒木町長が訴訟について説明する様子をビデオで撮影することができました。もし、石田尾議長が3年半前から許可を出していれば、そもそも訴訟にはなっておらず、私たちとしては「なぜ、話し合いで解決できなかったのか」と残念な気持ちでいっぱいです。

 裁判は7月以降に始まる予定です。屋久島ポスト共同代表の鹿島幹男と武田剛は、屋久島町議会がすべての取材者、そして全町民に開かれた議会に生まれ変わることを願って、鹿児島地裁の法廷に立つ所存です。

※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。

【動画】屋久島ポストが提起した「議会取材の自由を守る訴訟」について説明する屋久島町の荒木耕治町長

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