調査報道大賞2025、屋久島ポストが奨励賞を受賞
町長交際費や補助金不正請求など「屋久島町政をめぐる一連の調査報道」を評価
「地域に根を張って、人々の生活や人権、地方自治のあり方にまつわる問題を掘り起こしている」
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すぐれた調査報道を顕彰する第5回「調査報道大賞」の受賞作が8月29日に発表され、市民メディア「屋久島ポスト」(共同代表・鹿島幹男、武田剛)が「独立メディア・雑誌・フリーランス部門」の奨励賞に選ばれた。受賞したのは「屋久島町政をめぐる一連の調査報道」で、町長交際費問題や補助金不正請求事件などの報道が高く評価された。

屋久島町長の交際費問題について伝えた屋久島ポストの初報記事(2022年8月29日配信)
調査報道大賞は2021年に創設され、記者や編集者の研修交流の場を運営するNPO法人「報道実務家フォーラム」(東京都新宿区)と、「スマートニュース株式会社」の子会社でノンフィクションや調査報道の新しいエコシステムづくりをめざす「スローニュース株式会社」(東京都渋谷区)が主催。
今年は約100点の応募があり、選考委員をフリーアナウンサーの有働由美子氏、ジャーナリストの江川紹子氏、作家の塩田武士氏、日本大学危機管理学部教授の西田亮介氏、情報公開クリアリングハウス理事長・報道実務家フォーラム理事の三木由希子氏が務めた。

第5回「調査報道大賞」の選考委員=報道実務家フォーラム・ウェブサイトより
選考委員長を務める江川紹子氏は、屋久島ポストなどの報道について、「大手メディアが地方記者を削減する中、それぞれの地域に根を張って、人々の生活や人権、地方自治のあり方にまつわる問題を掘り起こしているジャーナリストたちの仕事が、とても頼もしく感じます」と評価している。
授賞式は10月7日に東京・渋谷のスマートニュース本社で開かれ、屋久島ポストの共同代表2人も出席する。
調査報道大賞2025のプレスリリースは以下URLで配信されている。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000073405.html
■第5回「調査報道大賞」の受賞作品
大賞
NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)
『兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道(TBSテレビ『報道特集』)』
優秀賞
全国紙・NHK部門
連載ルポ「追跡 公安捜査」など、警察庁長官狙撃事件と大川原化工機事件を巡る一連の報道(毎日新聞)
地方紙・専門紙部門
企業版ふるさと納税の「寄付金還流」疑惑に関する一連の報道(河北新報)
映像部門
QAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜 」(琉球朝日放送)
奨励賞
全国紙・NHK部門
教員性犯罪公判 横浜市教委による傍聴阻止を明らかにした一連の報道(共同通信・東京新聞)
地方紙・専門紙部門
ホームレスは、どこへ行った―岐阜の現場から―(岐阜新聞)
独立メディア・雑誌・フリーランス部門
屋久島町政をめぐる一連の調査報道/町長交際費問題、補助金不正請求事件など(屋久島ポスト)