垂水市盗撮事件

垂水市、被害児童10人の盗撮事件について「回答は差し控える」/鹿児島ポスト

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市の公共施設、昨年9月に事件発生 → 再発防止策ないまま今年度も業務委託を継続

市、被害児童の「権利保護」理由に市民へ謝罪もせず

【左】垂水市のウェブサイトに掲載された市のマークなど

   鹿児島県垂水市の公共施設で2024年9月に盗撮事件が発生し、児童10人が被害に遭った問題をめぐり、施設を設置する同市は6月11日、鹿児島ポストの取材に「回答を差し控えさせていただきます」とするコメントを出した。被害児童の「権利保護」を理由に具体的な回答を避け、市民に対する謝罪の言葉もなかった。

 盗撮事件が発生した公共施設が垂水市の所管であることを踏まえ、鹿児島ポストは6月3日、次の質問をメールで市に送った。

1 事件の受け止め(コメント)
 この盗撮事件について、貴市としての受け止めと見解、市民に対して伝えることがあればお願いいたします。

2 事件への対応
 この盗撮事件が発生した2024年9月以降、貴市はどのような対応をされましたでしょうか。①被害児童及び保護者への謝罪と説明②事件の調査及び刑事裁判の傍聴③再発防止策の検討④市民への謝罪と広報⑤業務委託先への指導の計5点について、対応した年月日も含めて、具体的にご説明をお願いいたします。

3 業務委託先への対応
 業務委託先の公益社団法人が具体的な再発防止策をつくり、その内容を被害児童の保護者に示したのは2025年5月28日だったことが、私どもの取材でわかっております。それはつまり、貴市及び同法人は再発防止策を講じることなく、2025年(令和7年)度も随意契約のかたちで業務委託契約を継続して結んだことになります。この点について、貴市の見解をお聞かせください。

 これらの質問に対し、市は6月11日、次の回答をメールで鹿児島ポストに返信した。

「貴方がお聞きになられている事項は被害者が存する刑事事件に関するものであり、権利保護の観点から、情報の拡散は謙抑的にならざるを得ず、(中略)令和7年6月3日付けのメールで頂きました質問に対しては、回答を差し控えさせていただきます」

垂水市役所(鹿児島県ウェブサイトより)

盗撮は約4年間、さらに多くの児童が被害か?
 盗撮したのは、市が業務を委託する公益社団法人の30代の男性職員(当時)で、施設内の更衣室で児童10人を盗撮したとして、今年1月に性的姿態撮影等処罰法違反(撮影)と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪で、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決が確定した。職員は2020年から約4年間にわたって盗撮を続けており、さらに多くの児童が被害に遭っているとみられている。

保護者、尾脇市長に事件の調査検証などを要望
 事件関係者によると、市は事件後、被害児童の保護者に対して謝罪や補償の話をしておらず、再発防止策を講じないまま、2025年度も同法人に随意契約で業務委託を継続。それに対し、保護者の有志は6月3日に尾脇雅弥市長に申入書を提出し、事件の調査と検証をしたうえで、市として再発防止策を講じることなどを求めている。

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