町長がついた3回のうそ:【検証 屋久島町政】(1) 出張旅費不正問題
世界遺産・屋久島を揺るがした旅費不正 発覚から2年
不正の全容は未解明のまま
(この検証シリーズは毎週火曜日に掲載します)
議会答弁でシルバー割引の利用を否定する荒木耕治町長(2019年12月10日)
2019年末に発覚した屋久島町の出張旅費不正問題は、荒木耕治町長、岩川浩一副町長(当時)、岩川俊広・町議会議長(同)ら4人の幹部が不正に関わるという前代未聞の事件に発展しました。その後、一般職員にも不正が広がっていることが判明し、いま明らかになっている被害額は少なくとも約230万円。住民団体の調査で、さらなる不正の疑いが100件以上あることも分かっています。しかし、町は第三者による調査を拒み、町議会は不正の調査をする百条委員会の設置案を3回も拒否したため、その全容はいまだに分かっていません。
不正の発覚から12月10日で丸2年。被害額の約230万円は、2020年中にすべて町に返還されましたが、一連の旅費不正を受けて、屋久島町の幹部たちはどう対応すべきだったのか。当時の記事をシリーズで振り返り、世界自然遺産の屋久島を揺るがした旅費不正問題を検証します。
▶今回のポイント
・町長がシルバー割引を使って「出張旅費を着服した疑いがある」と町議会で指摘。
・町長はシルバー割引の利用を3回にわたり否定。
・搭乗記録の提示「個人情報」を理由に拒否。
今回は、2019年12月11日に掲載した記事「『町長がシルバー割引で旅費着服』町議が指摘 搭乗記録の提示『個人情報』拒否 屋久島町議会一般質問」をみてみましょう。
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屋久島町の荒木耕治町長(69)が東京などに出張する際、普通運賃の航空券を払い戻し、65歳以上を対象にしたシルバー割引で買い直して、「運賃の差額を着服しているのではないか」との指摘が、12月10日に開かれた町議会一般質問で出された。
荒木町長は「(シルバー割引は)使っていません」などと、3回にわたって否定。航空会社に残された搭乗記録の提出を求められると、「個人情報なので、お断りする」と述べた。
【動画】航空運賃のシルバー割引の利用を否定する荒木耕治町長(2019年12月10日、屋久島町議会)
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▶今回の教訓:町民にうそをつかない
議会答弁で、荒木町長はシルバー割引の利用を3回にわたって否定しました。しかし、その半月後には記者会見を開き、一転して旅費不正を認めて謝罪。この議会での答弁は虚偽だったとして、陳謝することになります。
あの時にうそをつかず、本当のことを素直に話していれば、この旅費不正問題はすぐに終息していたはずです。
■関連資料/町議会一般質問議事録(2019年12月10日)
・小脇清保町議:2期目は65歳になっていますね。2期目の平成27年からは。航空運賃のシルバー割引使っていませんか
・荒木耕治町長:使っていません。
・小脇町議:昨年の5月、ある人から、町長がシルバー割引を使っているよと。格好悪いよね、という話を聞いて、まあ1件だから、私も気にしないでいましたけれど、最近は町長、これ、うそを言ったら最後まで、うそを言わなきゃいけなくなりますから、私は厳しく追及しますけれども、最近は住民さえ聞いているんですよ。シルバー割引に切り替えてくれと。カウンターで町長がおっしゃって、領収書は要らんよ。領収書は要るんですよ。町長、本当にありませんか。
小脇町議:JALに聞いたところでは、本人だったら提出しますという回答をもらっています。この会期中に搭乗記録と料金のそれ(記録)を、町長自身が請求すればJALは提出します。出していただけますか。
荒木町長:それは個人情報なのでお断ります。
小脇町議:あなたの身の潔白を証明するために、もらってもらえませんかと、あなたが個人で請求すれば出てくるんです、JALから。そうしていただけませんか、ということを言っているんですけど、個人情報じゃないですよ。これは公職についている者が出張記録を出すんですから、当然、開示すべものだと思いますが、違いますか。
荒木町長:そうは思いません。
小脇町議:ということは、やっていますね。町長、シルバー割引を。それしか考えられません、これ。出してくださいよ、どうですか。
荒木町長:会社と協議したいと思います。JALの会社です。
小脇町議:それが習い性になって、周りに配慮することなく、シルバー割引に切り替えてくれ、領収書はいらんぞ、というのは町民も聞いているんですよ。全くありませんか。
荒木町長:ありません。
■【検証 屋久島町政】記事一覧