不正精算14件、すべて同じ旅行会社が領収書を発行 屋久島町出張旅費不正問題
続々と虚偽の領収書、町幹部ら10人が提出
発行の経緯、町監査でも解明されず
鹿児島県屋久島町の幹部らによる出張旅費不正問題で、虚偽の領収書を使った不正精算は少なくとも15件に上ることがわかった。そして、そのうちの14件で、同じ旅行会社が領収書を発行。町幹部や町議ら10人が、実際の支払い内容とは違う領収書を受け取り、不正精算をしていた。
だが、このすべての領収書について、発行された経緯を説明した関係者は、これまでに誰もいない。2022年3月末に報告書が出た町の監査でも、監査委員の聴き取りに応じた町議らは「記憶が定かでない」などとして、詳細な説明をしていないという。
今後、これら虚偽の領収書が発行された経緯をどのように解明するのか――。
6月にある町議会定例会では、この問題が大きな議題になるとみられる。
屋久島ポストは、この2年半で、2016年度~2019年度にあった町の全出張記録を入手。6月議会を前に、その中から、同じ旅行会社が関わった10人の不正精算について、旅費精算書に添付された領収書をまとめた。
岩川浩一副町長(当時)
2017年4月に名古屋などに出張した際に、実際より高額な航空運賃と行程が記載された領収書で旅費精算し、出張旅費として、5万3100円を余分に受け取った。発覚した当初は、「見積もり段階で発行された領収書」などと釈明していたが、その後に詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで刑事告発され、2020年10月に起訴猶予の不起訴処分となった。
2015年11月に東京へ出張した際に、航空券と宿泊がセットになったホテルパックを利用したにもかかわらず、「チケット代として」と記載された領収書を航空運賃として旅費精算。宿泊費を二重取りして、2万1800円を余分に受け取った。この件も含め、2020年10月に起訴猶予の不起訴処分となった。
② 桑原幸夫・会計管理者 兼 会計課長(当時)
2016年11月に大阪へ出張した際に、実際より高額な航空運賃が記載された領収書で旅費精算し、公務で搭乗した航空運賃より3万7300円を余分に受け取った疑いがある。また、旅費精算書には屋久島と大阪を往復した行程が記載されていたが、実際には帰路で長崎に立ち寄っており、上司から行程変更の許可も得ていなかった。2022年3月末に報告書が出た町の監査で発覚したが、領収書が発行された経緯について、本人は詳細な説明をしていないという。
③ 岩川俊広議長(当時、現在は町議)
2019年5月に東京へ出張した際に、割引航空券を空港で購入したにもかかわらず、旅行会社が発行した正規運賃の領収書で旅費精算し、航空運賃として、実際より5万2680円を余分に受け取った。高齢者割引を悪用した別件の不正精算も含め、詐欺の疑いで刑事告発され、2020年10月に起訴猶予の不起訴処分となった。
④ 日高好作議長(当時、現在は町議)
2016年5月に東京へ出張した際に、旅行会社で航空券を購入していないにもかかわらず、その旅行会社が発行したとする架空の領収書2枚を添付して旅費精算し、計4万8180円を受け取った。2022年3月末に報告書が出た町の監査で発覚したが、領収書が発行された経緯について、町議本人は「記憶が定かでない」と言っているという。
⑤ 岩川修司副議長(当時、2020年2月に議員辞職)
2018年5月に東京へ出張した際に、割引航空券を購入したにもかかわらず、旅行会社が発行した正規運賃の領収書で旅費精算し、航空運賃として、実際より6万3800円を余分に受け取った。詐欺の疑いで刑事告発され、2020年10月に起訴猶予の不起訴処分となった。報道取材には、実際より高額な領収書の発行を旅行会社に依頼したことを認め、「大変悪いことをした」と謝罪している。
2019年5月に東京へ出張した際に、割引航空券を購入したにもかかわらず、旅行会社が発行した正規運賃の領収書で旅費精算し、航空運賃として、実際より6万900円を余分に受け取った。2018年の不正精算も含め、詐欺の疑いで刑事告発され、2020年10月に起訴猶予の不起訴処分となった。
⑥ 町総務課長(当時)
2016年11月に東京へ出張した際に、航空券と宿泊がセットになったホテルパックを利用したにもかかわらず、「航空券代金」と記載された領収書で旅費精算。宿泊費を二重取りして、1万900円を余分に受け取った。
⑦ 町職員(所属不明)
2018年6月に福岡へ出張した際に、高速船と新幹線で移動したにもかかわらず、「航空券代として」と記載された領収書で旅費精算し、出張旅費として、3万900円を余分に受け取った。
2019年5月に福岡へ出張した際に、高速船と新幹線で移動したにもかかわらず、「航空券代として」と記載された領収書で旅費精算し、出張旅費として、2万4100円を余分に受け取った。
⑧ 町職員(所属不明)
2018年9月に福岡へ出張した際に、高速船と新幹線で移動したにもかかわらず、「航空券代として」と記載された領収書で旅費精算し、出張旅費として、2万6300円を余分に受け取った。
2019年6月に福岡へ出張した際に、高速船と新幹線で移動したにもかかわらず、「航空券代として」と記載された領収書を提出。さらに、新幹線と宿泊がセットになったホテルパック料金を航空運賃として旅費精算して、宿泊費を二重取りした。その結果、出張旅費として、3万3100円を余分に受け取った。
⑨ 町教育総務課職員
2015年7月に東京へ出張した際に、航空券と宿泊がセットになったホテルパックを利用したにもかかわらず、「航空券代」と記載された領収書で旅費精算。宿泊費を二重取りして、1万900円を余分に受け取った。
⑩ 町教育総務課職員
2015年7月に東京へ出張した際に、航空券と宿泊がセットになったホテルパックを利用したにもかかわらず、「航空券代」と記載された領収書で旅費精算。宿泊費を二重取りして、1万900円を余分に受け取った。
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