刑事事件の不正精算を監査から除外 屋久島町出張旅費不正問題
岩川前副町長、実際の航空運賃は不明なまま
虚偽領収書の発行経緯も説明なし
2020年3月、岩川浩一副町長(当時)が旅費の差額を町に返還する際、修正して提出した精算書の一部。当初、公務の旅費として精算した一部について、「私事による移動」だったとして、5万3100円を返還した
鹿児島県屋久島町の幹部らによる出張旅費不正問題に対する町の監査で、これまでに刑事事件となった前副町長ら3人の不正精算が、監査の対象から除外されていたことが屋久島ポストの取材でわかった。すでに3人は検察で起訴猶予の不起訴処分を受けているが、虚偽の領収書については何も説明しておらず、依然として発行の経緯などはわかっていない。町監査委員事務局は「差額を返還しているため」としているが、前副町長については、航空券の販売記録などの証拠を示さずに返還しており、実際に支払った航空運賃は不明なままだ。
監査委員が2022年3月末に荒木町長へ提出した監査報告書によると、2014年度~2019年度にあった町役場と町議会の全出張のうち、監査の対象となったのは441件。そのうち150件について、航空券を販売した旅行会社に金額の照会をかけたところ、旅費精算書の航空運賃と差額があったり、販売記録が残っていなかったりしたのは38件だった。
「差額を返還している」と監査せず
38件のなかには、虚偽の領収書で精算した桑原幸夫・元会計課長や、旅行会社で航空券を購入していないにもかかわらず、同社が発行した架空の領収書を提出していた日高好作町議らによる不正精算もあった。だが、今回の監査では、約2年前に不正が発覚し、検察で起訴猶予の不起訴処分となった岩川浩一前副町長や町議会の岩川俊広元議長ら3人の出張は、あらかじめ監査の対象から外されていた。
監査委員事務局の日高孝之局長は取材に、「すでに各人が旅費の差額を町に返還している」として、今回の監査では対象から除外したという。
岩川前副町長、販売記録など示さず一方的に差額返還
しかし、これまでの屋久島ポストの取材によると、町役場と町議会の幹部3人は起訴猶予の不起訴処分になった後も、不正な領収書が発行された経緯などについて、公の場で説明した記録は残されていない。また、岩川前副町長については、2020年3月に差額を町に返還した際に、旅行会社の販売記録や領収書などの客観的な証拠を一切示しておらず、実際に支払った金額はわかっていない。
岩川浩一副町長(当時)が出張旅費の差額を返還する際に提出した文書。2件の出張で計7万4900円を返還したが、その金額の根拠となる販売記録や領収書などを示さず、一方的に自己申告した金額を返還した
私的な旅費を公費に混ぜ込み
岩川前副町長は現職だった2017年4月に名古屋市などへ出張した際に、公務で利用した航空運賃が2万6110円だったにもかかわらず、私的な旅行の経費を混ぜ込む形で、7万2220円と記載された虚偽の領収書を添付して旅費精算をした。2020年2月に不正が発覚すると、岩川前副町長は町議会や報道取材に対し、虚偽の領収書については「見積もり段階の領収書」、不正精算は「事務手続き上のミスだった」と釈明。同年3月、宿泊費を二重取りした別件の不正精算と合わせて、余分に受け取ったとする差額を町に返したが、販売記録などの証拠は提出しておらず、一方的に自己申告した7万4900円を返還した格好だった。
岩川浩一副町長(当時)が出張旅費の差額を返還する際に提出した文書。4月22日の行程は「私事による移動」だったとして、航空運賃や宿泊費、日当などをすべて返還した。また、公務で搭乗した航空運賃も7万2220円ではなく、実際は2万6110円だった
そのほか、岩川俊広元議長と岩川修司元副議長の2人も虚偽の領収書で不正精算したが、虚偽の領収書が発行された経緯は説明していない。一方、町に差額を返還する際には、代理人弁護士に依頼するなどして、航空会社や旅行会社に残された記録を提出している。
岩川浩一副町長(当時)が旅費精算書に添付した航空運賃の領収書。7万2220円の金額と「鹿児島~名古屋航空券代」の但し書きが虚偽の内容だった
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