現職町議、石川県への家族旅行中なのに「鹿児島空港近くで宿泊」 宿泊費や日当も請求 屋久島町出張旅費不正問題

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日高好作町議、虚偽の旅程を記載して計12200円を不正受給
旅程2
日高好作議長(当時)が町に提出した旅費精算書の一部。5月31日に東京から鹿児島空港に移動して同空港近くに宿泊し、6月1日に屋久島空港へ移動したと記載されているが、実際は私的な家族旅行で石川県を訪ねていた

 屋久島町議会の日高好作町議(65)が議長だった2016年に東京へ出張した際に、虚偽の領収書で航空運賃を受け取った問題をめぐり、日高町議が公務後に私的な家族旅行をしていたにもかかわらず、その家族旅行の期間も宿泊費や日当などを受け取っていたことが屋久島ポストの取材でわかった。日高町議の旅費不正では、虚偽領収書での精算に加え、家族旅行の事実を伏せた虚偽の旅費精算書を作成したことが明らかになっており、町議会議員としての責任は避けられない格好となった。


東京での公務後に家族旅行へ

 一連の旅費不正を調査した町監査委員の説明などによると、日高町議は議長を務めていた2016529日~61日、東京であった全国町村議会議長会の研修会に参加。研修会は531日午前に終わり、その後は家族と一緒に石川県へ旅行をしたという。

 つまり、531日の午後以降は、公務から離れた私的な旅行だった。

 ところが、日高町議は家族旅行の期間も公務出張中だったとする虚偽の旅費精算書を作成。本来なら受給が許されない宿泊費や日当などを町に請求していた。

旅費2
日高好作議長(当時)が町に提出した旅費精算書の一部。私的な家族旅行中なのにもかかわらず、宿泊費8000円、日当2200円、交通費2000円の計1万2200円を請求してた

不正受給は宿泊費と日当、交通費で計12200

 町が開示した出張記録によると、日高町議は研修会が終わった531日、東京・羽田空港から鹿児島空港へ移動して、同空港近くのホテルに宿泊したとして、18000円の宿泊費を請求。翌61日は鹿児島空港から屋久島空港へ移動したとして、日当2200円と定額で支給される交通費2000円も請求した。

 しかし、日高町議は531日以降、実際には家族と一緒に石川県を旅行しており、宿泊費と日当、交通費の計12200円を不正に受け取っていたことになる。

旅費精算書
日高好作議長(当時)が町に提出した旅費精算書。5月31日~6月1日の「発着地名」に虚偽の旅程を記載したうえ、私的な旅行中には受給できない宿泊費や日当、交通費も請求していた

日高町議、一貫して説明を拒否

 私的な旅行中に宿泊費や日当などを受け取っていたことについて、屋久島ポストは日高町議に電話とメールで取材を依頼したが、527日正午までに返信はない。

 日高町議の不正精算をめぐっては、旅費精算書に添付された領収書の航空運賃について、監査委員が領収書を発行した旅行会社に確認したところ、同社には販売記録が残されていないことが判明。さらに、東京での公務が終わった後、私的な家族旅行をしていたにもかかわらず、その事実を記載せずに旅費精算書を作成していたことが屋久島ポストの取材でわかっている。

 町の監査報告がまとまった20223月末以降、屋久島ポストは虚偽の領収書が発行された経緯などについて説明を求め続けているが、日高町議は取材を拒否している。

領収書メイン

日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した2枚の領収書。航空券代として、計4万8180円の金額が記載されているが、領収書を発行した旅行会社には販売記録が残されていなかった

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