【検証】大嘘をつく町長が治める自治体 屋久島町長選2023
「冷静さを欠いて、少し感情的」になって虚偽答弁 ➡ 町長派の議員、虚偽答弁を「間違え」と言い換え 不信任決議案を否決
裏切られた町民たちは辞職勧告
【動画】出張旅費不正問題をめぐる虚偽答弁を受けて、町民から辞職勧告書を手渡される荒木耕治町長(2020年1月10日)
あれだけの大嘘を町議会と報道取材でついたとなれば、荒木耕治町長が屋久島町民を欺いたということになる。
航空運賃のシルバー割引を約90回も利用し、普通運賃との差額を約200万円も着服していたのに、荒木町長は「シルバー割引は使ったことがない」と言い切って、まずは完全否定した。だが、地元紙に不正の事実を次々と報じられると、今度は手のひらを返したように記者会見を開いて謝罪し、議会で虚偽答弁をした事実を認めた。そして、なぜ嘘をついたのかと問われると、「冷静さを欠いて、少し感情的になっていた」と釈明した。
つまり、冷静さを欠き、少し感情的になっただけで、あんな真っ赤な嘘をつけるような人物が、1万2000人の町民が暮らす地方自治体の首長をしているということである。
大嘘をつかれた町民が怒るのは当然で、謝罪会見のあとに開かれた2020年1月10日の臨時議会には、荒木町長に対する不信任決議案が出された。開会前には多くの町民が「着服町長は辞任せよ」と書かれた横断幕を手にして、荒木町長に辞職勧告書を手渡した。
町民から辞職勧告書を渡される荒木耕治町長=中央(2020年1月10日、屋久島町役場・議会棟)
しかし、町長を擁護する大半の議員たちは、荒木町長の虚偽答弁を「間違い」と言い換えるなどして、不信任決議案を反対多数で否決。それに怒った町民たちは、閉会後に荒木町長に詰め寄り、町議会と町役場が騒然となる一幕もあった。
あれだけの嘘をつき、多くの町民を裏切った出張旅費不正問題について、荒木町長の後援会長は「いつまでもその過ちを持ち出すことはどうなのか」という。そして、3期12年の実績を強調し、「討議資料」と称するチラシを戸別配布して、荒木町長への支援を呼びかけている。
屋久島ポストが配信した連載記事「【検証 屋久島町政】出張旅費不正問題」を再録するシリーズの4回目では、虚偽答弁を認めた荒木町長に対して、多くの町民が辞職を迫った経緯などについて振り返る。
【動画】荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
●町民の怒り「爆発」:【検証 屋久島町政】(13)
2022年2月7日配信
●失われた荒木町長の信頼:【検証 屋久島町政】(14)
2022年2月28日配信
●荒木町長に寄り添う町議:【検証 屋久島町政】(15)
2022年3月16日配信
●議会に守られ責任回避:【検証 屋久島町政】(16)
2022年3月31日配信
これだけの不祥事を自ら起こして、4選を目指す非常識さもさる事ながら、これ等の不正を百も承知で支援するばかりか、積極的に出馬を後押しする等常識では考えられない後援会である。何らかの利権に絡んでいるとしか思えない。
屋久島の未来を考えると、現職が4選するようであれば、お先真っ暗である。