【検証】警察と検察には嘘をつかない現職町長 屋久島町長選2023
議会と取材で「シルバー割引は使ったことがない」➡ 実際には約90回利用、普通運賃との差額約200万円を着服
2019年末、記者会見で虚偽答弁を謝罪
【動画】屋久島町議会の一般質問でシルバー割引の利用を否定する荒木耕治町長(2019年12月10日)。記者会見でシルバー割引の利用を認めて、虚偽答弁を謝罪する荒木耕治町長(2019年12月26日)
「いつまでもその過ちを持ち出すことはどうなのか」――。
今年10月の屋久島町長選で4選をめざす荒木耕治町長の後援会は、出張旅費不正問題で町を騒がせた現職町長について、戸別配布した「討議資料」でこう擁護している。詐欺などの容疑で刑事告発されたものの、起訴猶予の不起訴処分になったからだという。
だが、起訴を免れたのは、荒木町長が罪の事実を認めて反省し、給与減額などで社会的制裁を受けたと検察が判断したからだ。もし、荒木町長が詐欺の容疑を認めずに無実を主張していれば、起訴されて刑事裁判となり、有罪判決が出ていた可能性が高いと思われる。
さらに、実際には航空運賃のシルバー割引を悪用して、約200万円もの公金を着服していたにもかかわらず、荒木町長は町議会と報道取材に対して、平然と嘘をつき続けていた。「シルバー割引を利用したことがあるか」と町議会で問われ、3回にわたって完全否定したうえ、地元紙の取材には「プライベートでも普通運賃券をシルバー割引に切り替えたことはない」とまで言い切っている。
しかし、実際には約90回も普通運賃からシルバー割引に切り替えて、その差額となる約200万円を着服していた。もし、町議会と報道の追及がなければ、いま現在でも、その200万円は荒木町長の懐に入ったままだったということである。
これが一般人であれば、「もう反省しているから」と許されるかもしれない。しかし、荒木町長は町民1万2000人の暮らしを守る地方自治体の首長であり、公人中の公人だ。町議会と報道には嘘をつく一方、警察と検察であれば正直に本当のことを話すようでは、屋久島町長の職責はとても全うできない。
それにもかかわらず、その荒木町長は今秋、さらに4選をめざして出馬するという。
屋久島ポストが配信した連載記事「【検証 屋久島町政】出張旅費不正問題」を再録するシリーズの3回目では、荒木町長が町議会と取材に嘘をつき続けた末に、一転して記者会見でシルバー割引の利用を認め、議会での虚偽答弁を謝罪した経緯を振り返る。
●うそをついた末の記者会見:【検証 屋久島町政】(10)
2022年1月11日配信
●荒木町長、議会での虚偽答弁を認める:【検証 屋久島町政】(11)
2022年1月18日配信
●着服金の法外な使い道:【検証 屋久島町政】(12)
2022年1月25日配信
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