虚偽の議会発言、石田尾茂樹議長が事情説明を拒否

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虚偽発言について「お答えする必要がない」と主張

「記者が『副町長が(虚偽領収書を)書けと言ったんだろう』と旅行会社の社員に迫った」 実際はその事実なし

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【上】虚偽領収書などの出張旅費不正精算について調査する百条委員会設置案について、反対討論する石田尾茂樹町議(2020925日、屋久島町議会)
【下】虚偽発言について石田尾茂樹議長が関係者に送付した文書


 屋久島町幹部らによる出張旅費不正精算の調査をめぐる議会討論で、虚偽発言をしていた石田尾茂樹議長が関係者への事情説明を拒否し、放置していることがわかった。石田尾議長は、岩川浩一副町長(当時)が不正精算に使った虚偽領収書が「意図的に発行された」と報じた新聞記事について、「記者が『副町長が(虚偽領収書を)書けと言ったんだろう』ということで(旅行会社の社員に)迫っている」と発言。だが実際には、記者がそのような発言をした事実はなく、石田尾議長は816日の町議会全員協議会で虚偽発言だったことを認め、関係者に事情説明することを町議会に約束していた。

「記者が発言を強要」と主張し百条委に反対

 石田尾議長の虚偽発言は、2020925日の町議会で提案された出張旅費不正精算の調査をする百条委員会設置案に対する反対討論であった。

 岩川副町長らが不正精算に使った虚偽領収書について、意図的に発行されたとする提案理由に対し、石田尾議長は「意図的であったか意図的でなかったかというのは(疑問で)、いま(記者らが)強要で告発されている」と発言。虚偽領収書の発行が「意図的だった」と報じた記者が「『副町長が書けと言ったんだろう』ということで(旅行会社の社員に)迫っている」「(社員は)『それは違う』というふうに言ったのに、『言え』ということで強要されている」と述べて、百条委設置案に反対した。

原画)石田尾議長制止
独自の判断で一般町民の傍聴を排除したり、同僚議員の虚偽説明を黙認したりするなど、独善的な議会運営を進める石田尾茂樹議長

町議会で虚偽発言を認めて事情説明を約束

 この虚偽発言について、関係者から指摘を受けた石田尾議長は816日にあった町議会全員協議会で、「副町長が書けと言ったんだろう」と記者が発言した事実はなかったことを認めた。それを踏まえ、石田尾議長は発言した経緯などを関係者に事情説明することを町議会で約束していた。

一転「発言の取り消しはできない」と主張して説明拒否

 だが、石田尾議長は町議会での約束を反故にする形で、関係者への事情説明を拒否し、この問題を放置し続けている。

 石田尾議長が826日付で関係者に送った「事実に反する議会発言についての回答」と題する文書によると、自身の発言を取り消しまたは訂正するには、発言があった20209月議会の「当該会期中に限られている」と説明。問題の発言については、「事実に反する発言であったかなかったかについて現時点で言及し、お答えする必要がない」と主張し、事情説明を拒否した。

回答書①
石田尾茂樹議長が関係者に送付した文書では、虚偽発言について「お答えする必要がない」と主張している

屋久島町議会「当事者同士で解決すべき問題」として放置

 一方、この虚偽発言について、町議会は「当事者同士で解決すべき問題」として、石田尾議長に説明を促すなどの対応はしていない。大角利成副議長は取材に「議会として決めたことなので、当事者同士で解決してもらうしかない」と述べ、議会での虚偽発言を放置し続けている。

■石田尾議長 虚偽発言問題記事一覧


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