【検証】旅費不正調査を頑なに阻止する町議会 屋久島町長選2023

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現議長の石田尾町議、調査に反対して「刑事告発すればいい」「自己申告で足りる」

虚偽領収書15枚、発行経緯は不明のまま
 

岩川浩一副町長(当時)の減給案について賛成討論する石田尾茂樹町議。反対意見に対して「刑事告発すればいい」と発言した(2020年3月23日、屋久島町議会)

 今秋の屋久島町長選で4選をめざす「あらきこうじ後援会」は、「討議資料」と称するチラシを戸別配布して、荒木耕治町長に端を発した一連の出張旅費不正問題について、こう主張している。

「自ら反省し、町全体で再発防止を行い、改善しようとしている人々に対して、いつまでもその過ちを持ち出すことはどうなのか」

 不正精算が発覚して「自ら反省」していればいいが、荒木町長は議会や取材に嘘をつき続けた末に、報道取材に追い詰められる形で謝罪した。

 不正精算が発覚して、すぐに「町全体で再発防止を行い、改善」すればいいが、不正精算に使った虚偽の領収書について、岩川浩一副町長(当時)は「見積もり段階の領収書」、岩川俊広議長(当時)は「予約でもらった領収書」と釈明。いずれも、一般社会では通用するはずもない嘘の言い訳だった。

 そして、荒木町長は虚偽領収書が発行された経緯を調査することなく、そのまま放置し続けている。「だれ」が「何の目的」で、「どのよう」に虚偽領収書を発行し、岩川副町長や岩川議長らに手渡したのか? その詳細はいまだに不明のままである。

 それゆえ、今になっても「その過ちを持ち出す」ことになるのだが、その最たる元凶となっているのは屋久島町議会だ。これまで不正調査をする百条委員会の設置案が5回も提案されたが、町長派の議員たちがすべて否決して、虚偽領収書の問題が調査されることを頑なに阻止している。

採決結果

虚偽領収書などの出張旅費不正問題を調査する百条委員会の設置案について、各町議の賛否を表示する議会中継のモニター画面(2020年3月23日、屋久島町議会)

 その先陣を切っているのは、現議長の石田尾茂樹町議だ。

 2020323日の町議会で、岩川副町長の減給案が提案された際には、「減給処分の前に不正調査が必要」と主張する一部の町議に対し、石田尾町議は「仮にダメだとするなら刑事告発してくださいよ。やればいいじゃないですか」と反論した。だがその後、石田尾町議の言葉どおりに刑事告発された結果、岩川副町長は起訴猶予の不起訴処分となり、検察で詐欺などの容疑事実が認められた。

 さらに、同じ議会で提案された百条委設置案に対して、石田尾町議は「私は自己申告で足りると思っている」と反対した。しかし、その後の取材や監査で、会計課長を含む複数の一般職員が虚偽領収書で不正精算していたことが発覚。これまでに存在が判明した虚偽領収書は少なくとも15枚にもなっているが、石田尾町議が主張した「自己申告」によって、自ら不正精算の事実を申し出た職員は一人としていない。

虚偽領収書)15枚
屋久島町の幹部や一般職員らが不正精算に使っていた15枚の虚偽領収書

 屋久島ポストが配信した連載記事「【検証 屋久島町政】出張旅費不正問題」を再録するシリーズの6回目では、虚偽領収書を含む一連の出張旅費不正問題について、石田尾町議ら町長派の議員たちが不正調査を頑なに阻止してきた経緯を振り返る。


石田尾町議「自己申告で足りる」 百条委2回目の否決:【検証 屋久島町政】(21)

202271日配信



石田尾町議、議会で挑発「刑事告発すればいい」:【検証 屋久島町政】(22)

202274日配信

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  1. 質の良い議員を

    議会とは?という基本的なことから教える必要があります。
    自己申告しないで、後からぞろぞろ出て来たではありませんか?
    このような結果を見ても自分の発言を反省するでもなく、繰り返しているということは意図的に不正を擁護していることに他なりません。
    この事実を忘れず、次回の選挙の判断材料にするべきです。
    有権者が目覚めることで議員の淘汰をして行かなければ、執行部も含め屋久島町議会はいつまでも全国の笑いものです。
    もったいない税金の無駄使いです。

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