【速報】「調査報道大賞2025」授賞式、屋久島ポストに奨励賞

鹿島幹男共同代表「小さなメディアでも社会を変える大きな力になり得ると確信」

小説家・塩田武士氏「確実に町政に影響を与える報道」と評価

第5回「調査報道大賞」の授賞式で、屋久島ポストの報道について話す鹿島幹男共同代表＝2025年10月7日夜、東京都渋谷区のスマートニュース本社、武田剛撮影
 

　すぐれた調査報道を顕彰する第5回「調査報道大賞」(主催・報道実務家フォーラム、スローニュース)の授賞式が10月7日夜、東京都渋谷区のスマートニュース本社で開かれ、「独立メディア・雑誌・フリーランス部門」で奨励賞を受賞した屋久島ポストに賞状と表彰盾が送られた。

　屋久島ポストが受賞したのは「屋久島町政をめぐる一連の調査報道」で、町長交際費問題や補助金不正請求事件などの報道が評価された。

　グリコ・森永事件をモチーフにした小説「罪の声」(講談社刊)などで知られる小説家で、選考委員を務めた塩田武士氏は講評で、屋久島ポストの報道によって町長交際費が126万円から16万円に激減した事例などを挙げたうえで、「確実に町政に影響を与える報道をしている」と評価した。

　続いて、屋久島ポストの鹿島幹男共同代表が「どんなに小さなメディアであっても、地域社会のなかでしっかりと報道すれば、その社会をより良く変えるための大きな力になり得ると確信している」と述べると、会場から大きな拍手が送られた。

■第5回「調査報道大賞」の受賞作品

大賞

NHKスペシャル「冤罪の深層～警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)

『兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道（TBSテレビ『報道特集』)』

優秀賞

全国紙・NHK部門
連載ルポ「追跡 公安捜査」など、警察庁長官狙撃事件と大川原化工機事件を巡る一連の報道(毎日新聞)

地方紙・専門紙部門
企業版ふるさと納税の「寄付金還流」疑惑に関する一連の報道(河北新報)

映像部門
QAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜 」(琉球朝日放送)

奨励賞

全国紙・NHK部門
教員性犯罪公判　横浜市教委による傍聴阻止を明らかにした一連の報道(共同通信・東京新聞）

地方紙・専門紙部門
ホームレスは、どこへ行った―岐阜の現場から―(岐阜新聞)

独立メディア・雑誌・フリーランス部門
屋久島町政をめぐる一連の調査報道／町長交際費問題、補助金不正請求事件など(屋久島ポスト)