【取材後記】「失われた10年」苦杯を想起する天体ショー/編集委員会
不正が絶えない屋久島町 次は「実り多い10年」に
【左】太陽が月の影に隠れる金環日食(2012年5月21日、屋久島町)
【右】皆既月食で赤銅色になった月。下左には月に隠れる直前の天王星が見える(2022年11月8日、屋久島町)
お陰さまで「屋久島ポスト」は11月9日、創刊1周年を迎えました。そこで、この1年間の取材を振り返る記事<きょう創刊1周年 市民メディア「屋久島ポスト」>を出すため、その前日夜にパソコンに向かっていると、月光で明るかった夜空が暗くなり、空いっぱいに無数の星が見え始めたことに気づきました。
442年ぶり 月と天王星の天体ショー
そして、外に出て東の空を見上げると、輝きが少しずつ失われていく月の姿が。久しぶりにカメラと望遠レンズを取り出して、三脚に据えてじっと待っていると、やがて月全体が美しい赤銅色に染め上げられました。さらに、そばで光っていた天王星が徐々に月に近づき、ついにはその影に隠れていく様子も眺めることができました。
そのあとニュースでわかったのですが、月が地球の影に完全に隠れる皆既月食と、月に天王星が隠れる天王星食を同時に見られたのは442年ぶりだそうです。それを知って、なんとも幸運に恵まれた創刊1周年の「前夜祭」になったことに感謝しました。
10年前 太陽と月が1000年ぶりの競演
希少な天体ショーといえば、10年前の2012年5月21日に観測できた金環日食を思い出します。
こちらは太陽が月の影に隠れる現象ですが、太陽がすべて見えなくなるのではなく、月影からあふれるように輪となって輝くため、日食に「金環」を添えた名称で呼ばれています。日本の広範囲で見られたのは約1000年ぶりということで、この写真が撮れたことも実に幸運なことでした。
「負の連鎖」を断ち切る調査報道
その一方、この10年間の屋久島町政を振り返ると、幸運とはほど遠い歳月でした。
総事業費24億円の新庁舎建設をめぐる町長リコール(解職請求)、入山協力金3000万円の横領事件、山海留学での児童体罰をめぐる民事訴訟、町長に端を発した出張旅費着服問題、さらに2回目となる町長リコールを経て、公共工事をめぐる補助金不正請求事件・・・・・・。
細かく挙げれば、まだ他にもありますが、次々と不正や不祥事が起きる状況が続き、屋久島町にとっては「失われた10年」だったといえます。
私たち屋久島ポストは、この「負の連鎖」を断ち切るために調査報道をしています。町長や町役場が知らせたくない不都合な事実を広く知っていただき、屋久島町民にとって次の10年が実り多い歳月になることを願って、今後も取材を続けていきます。
ポストの記事開示に感謝する毎日です。
ポストの追及行動がなければ「不変の屋久島」で居たでしょう。
今後も鋭く不正追及をお願いします。
更なる発展を祈念する町民の一人です。
「失われた10年」まさしくその通りの10年だったと思いますが、屋久島が世界遺産に
登録された、平成5年からの30年も含めて評価すれば、遺産登録を生かす事も出来ず、無為無策の30年だったと思っています。
歴代の首長にこれと言った政策もビジョンも無く只流れに任せた行政運営の結果だったと思っています。
ポストからの情報を元に、住民がもっと行政に関心を示して行けば必ずや、より良い町に為る事が期待出来ると思っています。
ポストの更なる活躍を期待しています。