屋久島ポストが受賞「地域・民衆ジャーナリズム賞2024」
屋久島町政をめぐる一連の調査報道/町長交際費問題、補助金不正請求事件など
「地域・民衆ジャーナリズム賞2024」の賞状を受け取る屋久島ポストの武田剛・共同代表=右(2024年6月15日、東京都千代田区内幸町の日本プレスセンター)
地域に根差した報道や情報発信などを続ける個人・団体を顕彰する「地域・民衆ジャーナリズム賞2024」の授与式が6月15日、東京・日比谷の日本プレスセンターであり、屋久島町政をめぐる一連の調査報道で受賞した屋久島ポストなどに賞状が贈られた。
選考で評価された屋久島ポストの報道は次のとおり。
●特定の国会議員らに高額な贈答が続けられた町長交際費問題
●虚偽の実績報告で国から補助金など1700万円の返還命令を受けた補助金不正請求事件
●町議会議員が罰金50万円で有罪となった現職町議アパートリフォーム廃材不法焼却事件
●過重労働で町職員が死亡した町営牧場過労死問題
賞状を手渡された屋久島ポストの武田剛・共同代表は「狭い地域社会で行政監視の調査報道を続けていると、町長を支持する住民から誹謗中傷を受けるなどして孤立することもあるが、一連の報道で町役場の体質は確実に改善されている。今回の受賞を励みにして、全国の地域社会で地道に活動を続けるみなさんと連携していきたい」とあいさつ。同賞の事務局長を務める武内暁氏は「地域の息吹を感じるリアルな報道を今後も期待したい」と述べた。
表彰状を手に記念撮影をする「地域・民衆ジャーナリズム賞2024」の受賞者たち(2024年6月15日、東京都千代田区内幸町の日本プレスセンター)
今回の授賞式では、屋久島ポストを含む次の10団体・個人に賞状が贈られた(敬称略、応募順)。
●「首都圏の綻び~記者が出会った識者と考察~」 元東京新聞編集委員
長竹孝夫(埼玉県川口市)
●「映像23双葉に暮らす~故郷をつなぐ在日コリアン建築士~」毎日放送報道情報局
伊佐治整(大阪市)
●「こんな人たち~自治体と住民運動~」 佐々木健悦(千葉県白井市)
●「村の戦争/ニュースを問う兵士目線の従軍記」 東京新聞前橋支局長
小松田健一(群馬県前橋市)
●「ミア・コーロ~自由学校MIAKORO12号~」 多文化共生フォーラム奈良(奈良市)
●「KBS京都アクセスクラブ企画制作ラジオ~Listen to my friend~」 久米村直子のスーパーデューバーサンデー(京都市)
●「2022年グループZAZA連続講座/丁章さん講演録~無国籍の在日サラムを生きるとは~」 グループZAZA 井前弘幸(大阪府堺市)
●「いじめの聖域~キリスト教学校の闇に挑んだ両親の全記録~」
ジャーナリスト 石川陽一(東京都中央区)
●「屋久島町政をめぐる一連の調査報道/町長交際費・補助金不正請求など(ネットメディア)」 市民メディア「屋久島ポスト」共同代表 鹿島幹男・武田剛(鹿児島県屋久島町)
●「改めて、地域、住民目線で『医師不足』を考える」 鹿角の医療と福祉を考える市民町民の会(秋田県鹿角市)