屋久島町「負の年表」①
屋久島町の不正や不祥事、町政に対する住民運動の記録 2016~2021
<新庁舎建設事業計画>
2016年
・2月
屋久島町が新庁舎建設の事業計画を町議会の全員協議会で説明。総事業費20億円、イベント施設を含めた4棟の木造建築など、初めて詳細な計画を公表。担当の総務課長が町議会の議長に要請し、報道記者を傍聴席から退席させた。
・3月25日
町議会が新庁舎建設事業の予算案を可決。2016年度の着工が決まる。
・4月
新庁舎建設計画について、町が初の住民説明会を開く。初めて事業計画を聞いた住民が大半で、20億円の総事業費などについて不満の声が相次ぐ。
・6月7日
住民団体「屋久島の未来を考える会」(松田正代表)が約1500人の町民から署名を集め、新庁舎建設の計画の見直しを求める陳情書を町議会に提出。
・6月16日
荒木耕治町長が町議会で建設計画の周知不足を認め、町の広報誌やホームページなどを通じて「情報提供に努める」と答弁。
・7月22日
「屋久島の未来を考える会」が新庁舎建設計画の是非を問う住民投票条例の制定をめざし署名活動を開始。
・8月25日
「屋久島の未来を考える会」が2618人分(有権者数の約4分の1)の署名を町選挙管理委員会に提出し、新庁舎建設計画の是非を問う住民投票条例の制定を要望。
・9月8日
荒木町長が町議会で「屋久島の未来を考える会」が実施を求めるパブリックコメントについて、募集しない考えを示す。
・9月26日
「屋久島の未来を考える会」が荒木町長のリコール(解職請求)の署名活動を開始。
・10月18日
町議会が新庁舎建設計画の是非を問う住民投票条例案を否決。
・10月31日
「屋久島の未来を考える会」が荒木町長のリコール署名3903人分(有権者数の約4割)を町選管に提出。その後、町選管が審査を開始。
・12月2日
町選管が荒木町長リコールの有効署名数が3530人と告示。要件になる有権者数の3分の1(3598人)に68人足りず、リコールの不成立が決定。
2018年
・6月11日
荒木町長が町議会で、新庁舎建設の総事業費が約24億円になることを公表。
2019年
・5月7日
屋久島町新庁舎が完成し、開庁式を開催。
<山海留学体罰訴訟>
2018年
・4月20日
屋久島町立の小学校が島外から児童を受け入れる「山海留学」で、関西から留学した児童が里親から体罰を受けたなどとして、児童側が町と里親を相手取り、約240万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。
・6月~
山海留学体罰訴訟の口頭弁論が続く。町側は、山海留学は小学校長らでつくる実施委員会などが各校区で運営しているとして、「町は実施主体ではなく、責任はない」と主張。里親側は、体罰を認めた上で「児童が言うことを聞かない時に怒った」と反論した。
2019年
・6月10日
大阪地裁が和解を勧告。「解決金を支払う」「町は体罰などがあったことに遺憾の意を表し、里親への研修を充実させる」「里親は児童と保護者に謝罪し、今後体罰をしないと誓う」などの内容を盛り込んだ和解案を示す。
・7月3日
大阪地裁で山海留学体罰訴訟の和解が成立。町と里親が計120万円の解決金を支払うなどの内容で和解。
<入山協力金横領事件>
2019年
・2月25日
屋久島町や鹿児島県、国などでつくる屋久島山岳部保全利用協議会(会長=荒木耕治町長)が記者会見を開き、会計担当だった元職員が、登山者から集める入山協力金など約3000万円を着服したと発表。職員は2月18日付で免職処分としており、業務上横領容疑で刑事告訴する方針を示す。一方、町条例に基づいて協力金を集めている町は「協議会の職員が起こした事件で、町に法的責任はない」と主張。
・3月5日
屋久島町が、入山協力金横領の被害額の一部を協力金の余剰金でつくる基金から補填する補正予算案を町議会に提案。損失を寄付金で穴埋めする案に一部議員から批判も出たが、賛成多数で可決。
・3月15日
屋久島山岳部保全利用協議会が臨時総会を開き、「任意団体の協議会には法的責任はない」として、入山協力金横領の被害額を補填しないことを決定。
・10月8日
鹿児島地裁は、入山協力金などを着服したとして、業務上横領罪に問われた屋久島山岳部保全利用協議会の元職員に懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。
<出張旅費不正問題>
2019年
・12月10日
荒木耕治町長のシルバー割引を使った旅費不正疑惑について、町議会一般質問で町議が指摘。荒木町長はシルバー割引の利用を否定。
・12月17日
荒木町長の旅費不正疑惑などを調査する百条委員会の設置案が町議会で否決。
・12月24日
南日本新聞が荒木町長の旅費不正疑惑を1面で報道。「航空券を20回払い戻していた」と伝えた。
複数の住民団体が記者会見を開き、荒木町長を刑事告発する方針を発表。
・12月25日
岩川俊広議長のシルバー割引を使った旅費不正疑惑が発覚。
・12月26日
荒木町長が記者会見を開き、旅費不正を認めて謝罪。議会での虚偽答弁も認める。
2020年
・1月10日
荒木町長の不信任決議案が町議会臨時議会で否決。岩川俊広議長が旅費不正の責任を取って辞任。
・1月15日
住民団体が荒木町長を詐欺容疑などで刑事告発。
・2月4日
住民団体が岩川俊広前議長を詐欺容疑などで刑事告発。
岩川浩一副町長の旅費不正(不正領収証、宿泊費二重取り)が発覚。
・3月5日
岩川俊広元議長が架空領収書とシルバー割引による旅費不正の差額79,672円を町に返還。
・3月6日
岩川浩一副町長が町議会で旅費不正を謝罪。
・3月19日
岩川浩一副町長が旅費不正の差額74,900円を町に返還。
・3月23日
旅費不正を調査する百条委員会の設置案が町議会で否決。岩川浩一副町長の減給案を可決。1カ月4割(24万円)減。
・4月2日
荒木町長が記者会見を開き、JAL利用分の計83回、約180万円の旅費不正を報告。ANAは未報告。
住民団体が岩川浩一副町長を詐欺容疑などで刑事告発。
・4月30日
岩川浩一副町長が任期満了で退任。
・5月1日
荒木町長の給与を6カ月間無給とする条例案が町議会で可決。
・5月11日
町幹部らに不正領収書を渡していたとして、旅行会社が元社員(4月に懲戒解雇)を詐欺ほう助の疑いで刑事告発。
・7月16日
鹿児島県警が荒木町長を虚偽有印公文書作成・同行使と詐欺の容疑で書類送検。
・8月13日
住民団体が元議長と元町総務課長を詐欺容疑などで告発。
・8月24日
県警が岩川浩一前副町長、岩川俊広元議長、旅行会社の元社員を書類送検。
・9月4日
鹿児島地検は荒木町長を起訴猶予の不起訴処分にした。起訴猶予にした理由として、地検は「容疑事実は認められたが、荒木町長が全額を町に返還したことや、町長給与を半年間無給とするなど一定の社会的制裁を受けている」と説明。
・9月15日
町監査委員が町議会で、一般職員4人による旅費不正を報告。計8件で被害額は約21万円。不正領収書を使った不正とみられる。
・9月25日
町議会に旅費不正を調査する百条委員会の設置案が提案されたが、反対多数で否決。計3回目の否決。
住民団体「清く正しい屋久島町を創る会」(鹿島幹男代表)が町職員と町議に関して、航空機を利用した全出張記録を開示請求して、独自の旅費不正調査を開始。
・10月16日
鹿児島地検は、岩川浩一前副町長、岩川俊広元議長、元副議長、旅行会社の元社員を起訴猶予の不起訴処分にした。起訴猶予にした理由として、地検は「容疑事実は認められたが、それぞれが全額を町に返還したことや、役職を辞任するなど一定の社会的制裁を受けている」と説明。
2021年
・3月2日
「清く正しい屋久島町を創る会」が、公文書開示請求で過去6年分の全出張記録を調査。約16000枚の記録を調べ、航空機を利用した出張について、少なくとも165件の出張に不正の疑いがある「要調査」と発表。
・3月10日
「清く正しい屋久島町を創る会」が、退職者を含む全町職員と町議を対象にした2020年度までの7年分の出張について、不正の有無を調べるよう求める住民監査請求を申し立てる。
・4月7日
町監査委員が「清く正しい屋久島町を創る会」から申し立てられた住民監査請求を却下。
・4月16日
「清く正しい屋久島町を創る会」が荒木町長のリコール(解職請求)の署名活動を開始。
・5月21日
「清く正しい屋久島町を創る会」が記者会見し、署名数が要件に足りず、リコールが不成立になったと報告。必要な署名数の目安となる3380筆を超える3450筆が集まったが、署名の重複などがあり、有効と見込まれるのは3335筆と判断。