【Review 2022】町政を正す屋久島町民の動きを報じた1年 <7月~12月>

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町長交際費で国会議員らに多額の贈答品、補助金不正で住民訴訟、多額贈答で住民監査請求・・・・・・
回顧2022②

 補助金不正請求事件から虚偽領収書を使った出張旅費不正、そして荒木耕治町長の交際費問題・・・・・・。

 2022年、屋久島ポストは屋久島町政をめぐる諸問題を1年にわたって報じました。その多くは町民の公金に関わる問題で、私たち屋久島ポスト編集委員会は「不正のない屋久島町政」の実現を目指して取材を続けています。

 この1年、屋久島町民の皆さまに配信したニュースのなかから、主なテーマの記事を厳選して、上半期と下半期の2回に分けてお届けします。

7月】

●町監査委員、返還した補助金の弁済を認めず 屋久島町・補助金不正請求事件
町幹部と監査委員1
【左】補助金不正請求について初めて町議会で説明する荒木耕治町長(右)。左は日高豊副町長(2021年11月26日、屋久島町議会)
【右】町幹部らに調査することなく住民監査請求を退けた朝倉富美雄代表監査委員

 屋久島町が国に虚偽報告をして、水道工事の補助金を申請した補助金不正請求事件をめぐり、町民から出されていた住民監査請求が却下および棄却されました。


8月】

●荒木町長、国会議員らに5年で計370万円の贈答品 屋久島町長交際費問題

 荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に約370万円分の贈答品を国会議員らに贈っていたことがわかりました。


住民訴訟で屋久島町長らに賠償請求 屋久島町・補助金不正請求事件

●屋久島町、工事遅延の原因を調査せず業者に賠償請求

 屋久島町が水道工事で補助金を申請する際に虚偽の「工事完成日」などを報告し、国から補助金1668万円の返還命令を受けたのは町幹部の責任だとして、同町の住民が町に対し、荒木耕治町長ら幹部3人に損害賠償を命令するように求めた住民訴訟が提起されました。

 一方、町は国に返還した補助金約1668万円について、工期内に工事が終えられなかった6業者に賠償請求しました。



●石田尾茂樹町議が虚偽発言、出張旅費不正めぐる議会討論
石田尾町議)反対討論20200925
虚偽領収書などの出張旅費不正精算について調査する百条委員会設置案に対して、反対討論する石田尾茂樹町議(2020年9月25日、屋久島町議会)

 屋久島町幹部らによる出張旅費不正精算を調査する百条委員会設置案をめぐる議会討論で、町議会の石田尾茂樹議長が虚偽発言をしていたことがわかりました。


9月】

●国会議員への贈答件数、3割強は森山裕衆院議員 屋久島町長交際費問題

●「円滑な関係を期待」して、鹿児島県知事らへの贈答額は計11万円

●荒木町長、森山事務所のコメントは「屋久島ポストの想像」
屋久島町長贈答20221129
【左上】屋久島町の荒木耕治町長【中央上】国会議事堂(Wikimedia Commons より)【右上】森山裕衆院議員(Wikimedia Commons より)
【下】荒木町長が贈答した焼酎「三岳原酒」

 荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に約122万円分の贈答品を国会議員に贈っていた問題をめぐり、贈り先の3割強が自民党の森山裕衆院議員だったことが判明。さらに荒木町長が鹿児島県の知事と副知事に約11万円分の贈答をしていたことがわかりました。

 一方、公費で多額の贈答品を森山衆院議員に贈っていたと報じた屋久島ポストに対し、荒木町長は9月議会で「それは想像でしかない」と報道を否定しました。




●虚偽領収書 不正調査の百条委、5回目の否決 屋久島町出張旅費不正問題
メイン写真
【上】岩川俊広町議(左)、岩川俊広町議が不正精算で使った架空領収書(中央)、日高好作町議(右)
【下】日高好作町議が不正精算で使った架空領収書2枚

 屋久島町の幹部らが虚偽領収書で出張旅費を不正精算していた問題で、町議会は不正調査をする百条委員会の設置案を反対多数で否決。一連の旅費不正をめぐる百条委設置案の否決は5回目となり、町政監視の責務を果たさない町議会の無責任ぶりが、あらためて浮き彫りになりました。


●国会議員らへの贈答350万円「全額の返還を」 住民監査請求 屋久島町長交際費問題

 荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に多額の贈答品を国会議員らに贈っていた問題をめぐり、同町の住民が住民監査請求書を町監査委員事務局に提出しました。


10月】

●宮路拓馬衆院議員も「荒木町長個人からの贈答」と認識 屋久島町長交際費問題

●鹿児島県庁、知事への贈答「把握していなかった」
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【上】左から、鹿児島県庁、
塩田康一知事、三反園訓・前知事、伊藤祐一郎・元知事
【下】左から、荒木耕治町長、焼酎の「三岳」「無何有」「愛子」「水ノ森」

 荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に約122万円分の贈答品を国会議員に贈っていた問題をめぐり、自民党の宮路拓馬衆院議員の事務所が贈答を受けたことを認め、「(町長)個人からの贈答品」「島産品のPR用」だったとの認識を明らかにしました。また、荒木町長が鹿児島県の知事と副知事に贈った贈答品について、鹿児島県庁が贈答の有無や内容を把握していなかったことがわかりました。



●虚偽の議会発言、石田尾茂樹議長が事情説明を拒否

 屋久島町幹部らによる出張旅費不正精算の調査をめぐる議会討論で、虚偽発言をしていた石田尾茂樹議長が関係者への事情説明を拒否し、放置していることがわかりました。


11月】

●【詳報】「記憶がない」と沈黙する日高町議を刑事告発 屋久島町出張旅費不正問題
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【上】虚偽領収書について説明を拒否する日高好作町議(2022年5月24日、屋久島町役場)
【下】日高好作町議が旅費精算書に添付した虚偽領収書

 屋久島町の幹部らによる出張旅費不正問題をめぐり、虚偽領収書で不正精算をしていた日高好作町議と桑原幸夫元会計課長が詐欺容疑で刑事告発されたことが明らかになりました。


●高額贈答 1年経過で住民監査請求の大半を却下 屋久島町長交際費問題

●国交省離島振興課長に高級ウイスキーを贈答

 荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に多額の贈答品を国会議員らに贈っていた問題をめぐり、同町の住民が出していた住民監査請求が退けられました。その一方で、荒木町長が国土交通省の離島振興課長に屋久島で熟成させた高級ウイスキー(1万円)を贈っていたことがわかりました。



●【詳報】虚偽報告書、職員が「決裁を受けずに独断で提出」して国補助金を受給 補助金不正請求事件

 屋久島町が水道工事で補助金を申請する際に虚偽の「工事完成日」などを報告し、国から補助金1668万円の返還命令を受けたのは町幹部の責任だとして、同町の住民が町に対し、荒木耕治町長ら幹部3人に損害賠償を命令するように求めた住民訴訟で、町側は国に提出した虚偽報告書について、担当職員が幹部の決裁を受けることなく「独断で提出」したことを明らかにしました。


●虚偽発言「対応しないのも一つの対応」と説明拒否 石田尾議長 虚偽発言問題

 屋久島町幹部らが出張旅費精算で使った虚偽領収書の不正調査に反対する際に、議場で虚偽発言をしていた石田尾茂樹議長が関係者への事情説明をせずに、そのまま放置する方針を示していることがわかりました。


12月】

●荒木町長、森山衆院議員への贈答を認める 屋久島町長交際費問題

●荒木町長、過疎法の情報に「お礼」で国会議員に贈答
町長答弁
国会議員への贈答について答弁する屋久島町の荒木耕治町長=前列右。前列左は町長交際費の支出を決裁する日高豊副町長(2022年12月9日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより)

 荒木耕治町長が公費で多額の贈答品を自民党の森山裕衆院議員に贈っていたと報じた屋久島ポストに対して「それは想像でしかない」と否定した問題をめぐり、荒木町長は報道を否定した議会答弁を撤回し、実際には森山衆院議員に贈答していたことを認めました。さらに、過疎法の対象地域に町が選ばれた際に自民党の国会議員から情報提供を受けた「お礼」として、贈答品を贈ったことも明らかにしました。



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  1. 更なるご活躍を

    屋久島町政を年間を通じて、綿密に取材し報道を続けた事に感服する一人です。
    功績は大と評価するにはまだ早いかも知れないが
    結果は必ず出てくると思っています。
    議会で虚偽発言を糾弾されながらも、謝罪も訂正もせず、「答え無い事も一つの対応」と嘘吹く議長、旅費の不正を告発までされながら、現職として恥らいも無く留まる議員、議会の
    恥さらしである。
    ポストの活躍がじわじわと広く浸透して、この様な議員が再選されず、正常な議会が誕生する筈である。
    来る年も更なるご活躍を期待いたします。

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