ごみ処理施設の管理費、17年間で2.7倍 1億2000万円の増額/屋久島ポスト
屋久島町、人件費と消費税の負担で増額
2008年度 6900万円→2015年度 1億2200万円→2025年度 1億8900万円
新ごみ処理施設・運営管理費問題
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町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ=町報やくしま 2023年2月号より
今年11月から本格稼働した屋久島町の新ごみ処理施設をめぐり、年間の運営管理委託費が過去17年間で約2.7倍に増加したことが、屋久島ポストの取材でわかった。
金額でみると、旧施設が稼働して2年後の2008年度が約6900万円だったのに対し、2025年度(2025年11月~2026年10月)は約1億8900万円で、その増加額は約1億2000万円。町は人件費や消費税の負担増を理由にしているが、17年間で運営管理費が3倍近くに膨れ上がったことになる。

屋久島町役場=屋久島ポスト撮影
町、日本管財環境サービスに業務委託を継続
屋久島ポストが情報公開制度で入手した町の関係文書によると、2008年度の運営管理費は6908万7480円だった。その後、徐々に増額を重ねて、2024年度は1億2999万3600円となって約1.9倍に増加。さらに、新施設が稼働した2025年11月以降は年1億8876万円となり、17年前と比べて約2.7倍、金額にして1億1967万2520円の増額となった。
旧施設は2006年に稼働を始め、旧上屋久町と旧屋久町でつくる「屋久島広域連合」が日本管財環境サービス(本社・大阪市中央区)に運営管理業務を委託した。その後、旧2町が合併した2007年10月以降も、屋久島町は同社と随意契約を継続。合併後の委託費は2008年度の約6900万円から始まり、翌2009年度は約9500万円、2015年度は約1億2200万円と推移して、2024年度には約1億3000万円にまで増額された。
新施設、前年度比で5900万円の増額
さらに町は今年7月、新施設の運営管理業務を委託する業者を選定するため、企画提案を求めるプロポーザル方式の競争入札を実施した。だが、入札に参加したのは日本管財環境サービスを主体とする「特定委託業務共同企業体」(特定JV)のみで、予定価格(事業費限度額)の約98%で落札額が決定。年間の運営管理費は約1億8900万円となり、前年度と比べて約5900万円の増額となった。

日本管財環境サービスのウェブサイト画面
町、1業者だけの入札で落札額が「高止まりした可能性」
これまでの町議会で担当の生活環境課長は、2008年度から運営管理費が増え続けていることについて、人件費や消費税の負担増が理由だとしてきた。
また、新施設の運営管理費が年約1億8900万円となり、2024年度比で約5900万円増えた理由として、同課の担当職員は「人件費などの諸費用が高騰しているため」と説明。これに加えて、委託業者を決める入札に参加したのが1業者だけだったため、「業者もそれを見越して、(落札額が)高止まりした可能性がある」としている。
2008年度以降の運営管理費の推移は以下のとおり。
2008年度 69,087,480円
2009年度 94,993,500円
2010年度 94,993,500円
2011年度 94,993,500円
2012年度 94,216,500円
2013年度 100,905,000円
2014年度 121,564,800円
2015年度 122,040,000円
2016年度 122,040,000円
2017年度 123,120,000円
2018年度 124,740,000円
2019年度 126,876,000円
2020年度 130,020,000円
2021年度 130,812,000円
2022年度 129,993,600円
2023年度 129,993,600円
2024年度 129,993,600円
2025年度 188,760,000円
(※2025年度は2025年11月~2026年10月)
