人口1万1600人に議員16人 定数を減らさない意見が多数なの!? 屋久島町議会・議員定数等調査特別委員会
榎委員長「一度減らすと元に戻れない」「現状でよいのでは」など定数維持の意見を紹介 ➡ 複数の委員「人口減に応じて削減すべきとの意見を排除している」と批判

2021年9月の屋久島町議会選挙で当選した町議16人(2021年9月15日、屋久島町役場、「町報やくしま」2021年10月号より)
人口が1万1600人にまで減少した屋久島町で、将来的に現在16人いる町議会議員の定数をどう見直していくのか――。
屋久島町議会の議員定数等調査特別委員会(榎光徳委員長)は9月5日、同町議会定例会の最終日に中間報告を行い、「定数を一度減らすと元には戻れない」「最初から削減ありきで議論しているわけではない」といった委員の声を紹介し、現在の議員定数を維持する意見が多数を占めている現状を報告した。それに対し、複数の委員からは「人口に応じて議員定数を削減するべきだとの意見を出したが、中間報告では完全に排除されている」と批判の声が出ている。
将来の議員定数 全町議で協議
議員定数等調査特別員会は2022年9月の町議会定例会で、議員発議によって設置が決まった。同町議会の全町議が委員となり、2023年1月と3月の2回にわたって会議を開き、各委員が意見を出して協議を重ねてきた。
議員定数等調査特別委員会の中間報告をする榎光徳委員長(2023年9月5日、屋久島町議会)
「町民アンケートより区長の意見を」
その議論を踏まえ、榎委員長が9月5日の町議会で中間報告を行い、各委員から次のような意見が出ていることを報告した。
・最初から削減ありきで議論をしているわけではない。
・一度減らすと元には戻れない。
・広く町民の声をすくい上げるためにも現状(の定数)でよいのではないか。
・一概に人口割で比較するではなく地域性を考慮すべきだ。
・減らすべきだとは思うが、現状でいいという声もある。
そして、委員から「町民アンケートを実施するべき」との意見が出ていることに対して、別の委員からは「アンケート調査よりも、むしろ地域の代表者である区長会と意見交換をするべき」と反論が出ていることを紹介。「自分たちのことは、自分たちで決めるべき」とする意見も報告した。
「安い議員報酬」も見直しか?
さらに、一部地域で議員のなり手がなく、若手議員が少ない現状について、(安い)議員報酬に課題があるのではないかとの見方があることに対して、「わが屋久島町に置き換えたとき、果たしてどうなのか」との意見が出ていることを紹介し、現在の議員報酬の見直しについても議論が及んでいることを伝えた。
複数の委員「人口1000人あたり議員1人が妥当」
この報告に対し複数の委員は、これまでの委員会で「人口1000人あたり議員1人が妥当との意見を出しており、せめて定数14人にまでは減らすべきだと主張している」と指摘。それにもかかわらず、榎委員長がその意見にまったく触れなかったことに対して、「意図的に定数削減を求める意見を排除している」と批判している。
