垂水市長、盗撮事件の調査検証を求める被害者側に謝罪せず「しばらくお時間を」と回答/鹿児島ポスト
被害児童の保護者有志、調査検証など求める申入書を送付 → 尾脇雅弥市長「対応を慎重に検討する必要がある」
垂水市、謝罪や補償なく約9カ月間「事件を放置」

【左】垂水市のウェブサイトに掲載された市のマークなど【右】垂水市の尾脇雅弥市長が「子どものSOS受け止め方講演会」に出席したのちにインスタグラムに投稿した画像
鹿児島県垂水市の公共施設で児童10人が盗撮の被害に遭い、市が業務を委託する公益社団法人の元職員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)などで有罪となった盗撮事件――。
その後の取材で、事件の調査や検証などを求める被害児童の保護者有志に対し、同市の尾脇雅弥市長が文書を送付したことがわかった。尾脇市長は被害者側に謝罪することなく、「対応を慎重に検討する必要があるため、しばらくお時間をいただきたく存じます」と伝え、要望に対する明確な回答を先延ばしにした。
事件発生から約9カ月間にわたり、垂水市が被害者側に謝罪や補償をしないことを受けて、被害児童の保護者有志は6月3日、「盗撮事件に係る申入書」を尾脇市長あてに送付。垂水市の姿勢に対して「事件を放置するような対応」だとして、次の4点を要望した。
1 盗撮事件の調査と検証
2 市民への報告と謝罪
3 再発防止策を講じて市民に公表
4 垂水市として事後対応が遅れた理由説明
この申入書に対し、尾脇市長は6月13日付で保護者有志に文書を送り、被害に遭った児童やその保護者に謝罪することなく、次の内容を伝えた。
<時下、益々、ご清祥のこととお喜び申し上げます。さて、申し入れの件につきましては、対応を慎重に検討する必要があるため、しばらくお時間をいただきたく存じます>

垂水市の尾脇雅弥市長が被害児童の保護者有志に送付した文書(※一部でモザイク加工をしています)
これまでの鹿児島ポストの取材に対し、事件があった公共施設を所管する垂水市保健課は次のコメントを出している。
「貴方がお聞きになられている事項は被害者が存する刑事事件に関するものであり、権利保護の観点から、情報の拡散は謙抑的にならざるを得ず、(中略)令和7年6月3日付けのメールで頂きました質問に対しては、回答を差し控えさせていただきます」
■「子どものSOS受け止め方講演会」に関する垂水市長の投稿https://www.instagram.com/reel/DKo5FISyNWk