現職町議、議長在任中に架空領収書で不正精算 屋久島町出張旅費不正問題

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日高好作町議が購入実態のない航空券代の領収書を提出

町監査委員、不正精算を容認 返金は求めず

日高町議は取材に応じず
領収書メイン

日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した2枚の領収書。航空券代として、計4万8180円の金額が記載されているが、領収書を発行した旅行会社には販売記録が残されていなかった

 鹿児島県屋久島町の荒木耕治町長らによる出張旅費不正問題をめぐり、同町議会の日高好作町議が、議長在任中に架空の領収書で出張旅費の精算をしていたことが町の監査でわかった。領収書を発行した旅行会社には、航空券を販売した記録は残されておらず、日高町議は購入実態のない領収書を提出したことになる。

領収書発行の旅行会社に販売記録なし

 町が開示した出張記録によると、日高町議は議長を務めていた2016529日~61日、全国町村議会議長会の議長・副議長研修会に出席するため、東京に出張した。移動はすべて空路で、鹿児島空港を経由して屋久島空港と東京・羽田空港を往復。出張後、往復の航空券代として、計48180円となる領収書2枚を添付して旅費の精算をした。

 ところが、日高町議が精算書に添付した領収書は、実際には航空券を購入していないのに、発行されたものだった。

 2022331日に荒木町長に提出された監査報告書などによると、監査委員が日高町議の精算書に記載された48180円の航空運賃について、領収書を発行した旅行会社に確認したところ、航空券を販売した記録が残されていないことが判明した。

 それを受けて、監査委員2人が日高町議に聴き取り調査をしたが、町議本人の記憶が定かでないため、領収書が発行された経緯などはわからなかったという。

旅費精算書
日高好作議長(当時)が屋久島町に提出した旅費精算書。航空運賃として計4万8180円と記載されているが、添付された領収書を発行した旅行会社は航空券を販売していなかった

架空領収書でも「妥当な金額」

 ところが、領収書に記載された航空運賃48180円について、監査委員は屋久島と東京の往復航空運賃として「妥当な金額」と判断。実際に航空券を購入した金額や場所は不明だが、購入実態のない架空領収書に記載された計48180円での精算を認めて、旅費の返納は求めないという。

 つまり、監査委員は架空の領収書での精算を認め、実際に購入したことが確認できない航空運賃について、公費から支出することを了承したことになる。

 だが、監査委員は日高町議が航空券を購入した記録を確認していないため、もし仮に無料の特典航空券などで搭乗していた場合は、屋久島町の旅費条例にある「航空賃の額は、現に支払った旅客運賃による」という規定に違反することになる。

 今回の判断で、監査委員は架空の領収書で精算しても「OK」との判断をしたことになる。

領収書①
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した架空の領収書

日高町議、十数回の取材要請に返事なし

 この監査結果について、屋久島ポストは4月中に十数回にわたって日高町議に電話で取材依頼をしているが、町議からの返信はなかった。

 さらに428日には日高町議の自宅や仕事場を訪ねたが不在で、取材依頼の電話にも応答や返信はなかった。そこで、携帯電話で「町財政に関わる重要な話なので、公人である町議として、ご連絡ください」とメールを送ったが、51日午前9時現在までに返信はない。

 一方、日高町議に領収書を発行した旅行会社は取材に「詐欺ほう助で告発された元社員が不正に関わった可能性はあるが、すでに退職しているため、詳しい経緯はわからない」としている。

領収書②
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した架空の領収書

別の議会幹部2人、架空領収書で起訴猶予処分

 同町議会幹部の出張をめぐっては、これまで3件の不正が発覚しており、いずれも日高町議と同じ旅行会社が発行した架空領収書が使われていた。

 現職の岩川俊広町議は、議長を務めていた2019年に東京へ出張する際に、割引航空券を空港で購入していたにもかかわらず、実際より約5万円高い架空領収書で精算。また、岩川修司副議長=当時、20202月に議員辞職=も2018年と2019年の2 回にわって架空領収書で精算し、実際より約11万円多く旅費を請求した。

 不正の発覚を受けて、2人はそれぞれ刑事告発され、202010月に鹿児島地検で起訴猶予の不起訴処分になった。その際、岩川修司氏は報道各社の取材に、実際より高額な領収書の発行を依頼したことを認め、「大変悪いことをした」と謝罪している。

領収書1

岩川俊広議長(当時)が屋久島町に提出した航空運賃の領収書。領収書を発行した旅行会社で購入していないのに、領収書だけを受け取っていた

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  1. 小脇清保

    この問題が起きたとき、我々は事件の詳細を知るため、百条委員会の設置を提案しました。
    その時の反対討論の中で「わざわざ百条委員会を設置しなくても、自己申告で良いではないか」と言って反対したことを鮮明に覚えています。
    語るに落ちるとはこのことである。
    再度町民に選ばれた現職議員です。
    任期中にどのようにして信頼の回復を図るのか興味のあるところである。
    簡単なことではないと思う。

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