ホテル代を二重にもらえる町:【検証 屋久島町政】(18) 出張旅費不正問題
副町長、ホテルパックを航空運賃として精算 別に宿泊費を二重取り
(この検証シリーズは随時掲載しています)
宿泊費の二重取り問題を取材するきっかけとなった領収書。岩川浩一副町長(当時)がホテルパックのキャンセル料金を町に請求するために提出。この出張は取り止めになったが、事前に旅費の概算払いを受ける際、ホテルパックの予約であることを伏せて、航空運賃と宿泊費をそれぞれ別々に受け取っていた
荒木耕治町長に続いて、岩川浩一副町長(当時)までもが旅費不正を――。
2020年2月。屋久島町トップ2人の出張旅費不正請求を受け、にわかに町は騒然となりましたが、実は岩川副町長の不正精算は、実際より高額な航空運賃が記載された「見積もりの領収書」だけではありませんでした。ホテルと航空券がセットになったホテルパックを利用しながら、そのパック料金を航空運賃として精算し、それとは別途、領収書なしでもらえる定額の宿泊費を受け取っていたのです。
つまり、ホテルに1泊すれば、2泊分の宿泊費がもらえるという、ホテル代の二重取りです。
二重取りしたホテル代に領収書は不要
岩川副町長のホテル代の二重取りは、町が開示した出張記録を詳しく読み込み、複数の関係者に取材をするなかで判明しました。
その取材記録によると、岩川副町長は2015年11月に2泊3日で東京へ出張した際に、屋久島と東京の往復航空券代として、6万6000円と記載された領収書を添付して航空運賃を請求。それとは別に、2泊分の宿泊として、領収書なしでもらえる定額の宿泊費2万1800円を受け取りました。
ところが、取材で関係文書を入手すると、岩川副町長が航空券代として添付した領収書の金額には、東京での2泊分のホテル代が含まれていることが判明。それとは別に、定額で支給される2泊分の宿泊費2万1800円も請求していたため、ホテル代を二重取りしていたことがわかりました。
岩川浩一副町長(当時)が航空券代の支払い記録として町に提出した領収書。実際には6万6000円の金額には航空券代とホテル代が含まれていた
虚偽領収書と同じく「事務手続き上のミス」
その取材結果を受けて、取材に応じた岩川副町長は、虚偽領収書の問題と同じく「事務手続き上のミスだ」と釈明しましたが、この件だけであれば、その言葉を信じることができたでしょう。
別出張のホテルパック キャンセルで問題が発覚
ところが、実際には、このほかにもホテルパック料金を航空券運賃として旅費精算しようとしたケースを把握していたため、「はい、そうですか」とは納得できませんでした。その時は出張が急にキャンセルとなり、結果的にホテル代の二重取りにはなりませんでした。しかし、出張前に概算払いで旅費を受け取った記録を見ると、ホテルパックで予約した事実は伏せたまま、航空運賃と宿泊費をそれぞれ別々に請求しており、単なる「事務手続き上のミス」とは思えませんでした。
ホテル代を二重取りした不正精算は、実はこのキャンセルになった出張記録をきっかけに、ほかの旅費精算書を調べていくなかで見つかりました。決め手となったのはキャンセル料金の領収書で、そこには「JALパックキャンセル料として」と但し書きされていました。
▶今回のポイント
・虚偽領収書に加えて、ホテル代を二重取りした不正精算も判明
・岩川副町長は「事務手続き上のミスだ」と釈明
・急な出張キャンセルで「JALパックキャンセル料金」の領収書も
今回は、2020年2月17日に掲載した記事「岩川副町長、ホテルパック代を航空運賃として旅費請求、別に宿泊費も二重に受け取り」をみてみましょう。
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荒木耕治町長の出張旅費着服事件で揺れる屋久島町役場で、岩川浩一副町長も不正に出張旅費を請求した疑いがあることがわかった。出張前の旅費概算払いで、ホテルと航空券の代金を含めたホテルパック料金を航空運賃として請求。それに加え、町の規定で領収書が不要な定額の宿泊費を別に請求し、ホテル代を二重に受け取っていた。その後、この出張は急に取り止めになったが、岩川副町長は「JALパックキャンセル料金」として、1万3320円を町から受け取っていた。
岩川浩一副町長(当時)がホテルパックのキャンセル料金を町に請求するために提出した領収書。この出張は取り止めになったが、事前に旅費の概算払いを受ける際、ホテルパックの予約であることを伏せて、航空運賃と宿泊費をそれぞれ別々に受け取っていた
旅行会社がホテルパックの見積書を発行
町が開示した出張記録によると、岩川副町長は2016年(平成28年)9月、大阪への出張旅費を概算請求する際に、ホテル代と航空券代を含めたホテルパックで予約し、その料金3万3300円を航空運賃として請求。それとは別に、定額で支給される宿泊費の1万900円も受け取った。
岩川浩一副町長(当時)が旅行会社から受け取った見積書。鹿児島と大阪の往復航空券代とホテル1泊分で3万3300円と記載されている
出張記録に添付された旅行会社の見積書には、屋久島と鹿児島間の往復高速船代1万3400円とは別に、鹿児島と大阪間の往復航空券代とホテル代を合わせたホテルパック料金3万3300円と記載。宿泊先は大阪市北区にある「ハートンホテル北梅田」で、禁煙と朝食付きのプランを予約していた。
岩川浩一副町長(当時)がホテルパックで予約した「ハートンホテル北梅田」を紹介するウェブサイトの画面
ホテルパック代3万3300円と同額の航空運賃を請求
岩川副町長は、出発の約20日前の同年9月8日にホテルパックの見積書を旅行会社から受け取った。その後、すぐに旅費の概算払い手続きを行い、「旅費明細書(概算)」の航空運賃の欄に、ホテルパック料金3万3300円の半額にあたる1万6650円を片道の航空運賃として、それぞれ往路と復路に記入。ホテルパックで予約したことについては、明細書には一切記載しなかった。
岩川浩一副町長(当時)が町に提出した旅費精算書の一部。出張前に旅費の概算払いを受ける際に、往復航空運賃として3万3300円を請求しているが、この金額は、実際には航空券とホテルがセットになったホテルパック料金だった。それにもかかわらず、さらに別途、定額の宿泊費1万900円を二重に受け取っていた
出張キャンセルで判明、実は「JALパック」だった
岩川副町長は同年9月29日に屋久島を出発する予定だったが、急な公務で出張が取り止めになった。それを受け、ホテルパックのキャンセル料金が発生したため、「JALパックキャンセル料」として町に1万3320円を請求。そのほか、概算請求で仮払いを受けた旅費は町に戻し入れた。
岩川浩一副町長(当時)が町に提出した旅費精算書の一部。事前の旅費概算払いの時はホテルパックで予約した事実を記載していなかったが、急な公務で出張が取り止めになると、ホテルパックのキャンセル料として1万3320円を町に請求した
これまで町は、町長と副町長の出張については、災害の発生や急な公務にも対応できるように、キャンセル料が安く、予約変更が可能な普通運賃の航空券を購入していると説明してきた。
日本航空(JAL)の規定によると、普通運賃の出発前のキャンセル料金は一律440円。岩川副町長が請求したホテルパックのキャンセル料金1万3320円とは大きな差がある。
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▶今回の教訓:旅費概算払いでも明細書には事実を記載する
出張前に旅費を概算払いで請求する際に、ホテルパックで予約していることを明記して、それに従って、旅費を受け取っていれば、不正精算を疑われることはありません。なぜなら、出張が終わり、そのまま精算手続きをしても、ホテル代が二重取りになることはないからです。
それでは、どうして岩川副町長はホテル代の二重取りになったのか。
なぜなら、出張前に旅費を受け取る段階で、ホテルパックで予約しているにもかかわらず、その事実を記載せずに、航空運賃と宿泊費を別々に請求したからです。実際に二重取りになった出張について、岩川副町長は「事務手続き上のミス」と釈明しましたが、キャンセルになった別の出張でも、同じ方法で旅費の概算払いを受けていました。その際には、事前に旅行会社からホテルパックの見積書をもらっていましたが、それでもなお、パック料金と同額の航空運賃に加え、さらに定額の宿泊費も受け取っています。
この事実を踏まえると、単なる「事務手続き上のミス」ではなく、何らかの意図があって、ホテルパックで予約した事実を伏せていたのではないのか、という疑念が浮かびます。
やり方が巧妙過ぎて、凡人の私にはそのカラクリが理解できない。
町の幹部だからできたことなのか?
裏金錬金術として当時流行っていたのか?
特別調査委員会で詳しく説明して欲しいですね。
それにしても「事務方のミス」と責任を擦り付けるのは、かなり悪質と言わざるを得ません
かなり悪質だと思います。
副町長を務めていたことに違和感しかありません。
町民をバカにしてる。
町政を任せられる人物ではないですね。
事務方のミスなどと部下の責任にして、全く無責任そのものです。
本人にしかできない行為です。
これだけの不正を働きながら、澄まし顔で副町長の席に座っていたことを考えると、ムシズが走ります。
町長のシルバー割引の不正に始まった、この一連の不正の発覚がなければ、彼らは今でも同じことを繰り返していたことをを考えると、市民メディアによる報道の功績は大きいものがあります。
一方で、それこそが、屋久島ポストに議場での取材を許可しない理由だと思います。
百条委員会に反対するのは、彼らも怖いのです。