石田尾町議「自己申告で足りる」 百条委2回目の否決:【検証 屋久島町政】(21) 出張旅費不正問題
虚偽領収書の不正調査を拒み続ける屋久島町議会
見積もりや予約の領収書などを不問に
(この検証シリーズは随時掲載しています)
虚偽領収書などの出張旅費不正問題を調査する百条委員会の設置案に対して、反対討論する石田尾茂樹町議(2020年3月23日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面を撮影)
「見積もりの領収書」や「予約の領収書」など虚偽領収書の存在が明らかになったことを受けて、出張旅費不正精算の調査をする百条委員会の設置案が2020年3月23日、屋久島町議会の3月定例会で提案されました。2019年12月に続いて2回目の提案で、前回は荒木耕治町長のシルバー割引を悪用した旅費着服問題を調査するためでしたが、大多数の町議が反対して否決されました。
今回の発議をした真辺真紀町議は提案理由の説明で、岩川浩一副町長の「見積もりの領収書」や岩川俊広町議の「予約の領収書」など、それまでに見つかった虚偽領収書のうちから5枚を示し、「不正な領収書での精算がどの範囲に及ぶのか、旅行代理店や精算処理に関わった町職員らの証言を得ながら、厳正な調査を実施する必要がある」と訴えました。
岩川俊広議長(当時)が旅費精算書に添付した航空券代の「予約の領収書」。実際には航空券を購入していないのに、旅行会社で予約した時に領収書だけを受け取っていた
しかし、採決の結果は反対9人、賛成3人となり、前年12月に続いて2回目の否決に。各議員の賛否は以下のとおりでした(敬称略)。
【反対】相良健一郎、岩山鶴美、上村富士高、大角利成、石田尾茂樹、榎光徳、日高好作、寺田猛、岩川俊広
【賛成】真辺真紀、渡辺千護、下野次雄
【議長】高橋義友(※採決に不参加)
【病欠】真辺有次
虚偽領収書などの出張旅費不正問題を調査する百条委員会の設置案について、各町議の賛否を表示する議会中継のモニター画面(2020年3月23日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面を撮影)
虚偽領収書が少なくとも5枚以上も見つかったわけですから、そのまま放置していいはずがありません。しかし、石田尾茂樹、岩山鶴美の両町議は「自己申告で足りる」「みんなが自己申告すればいい」などと反対討論し、計9人の町議が虚偽領収書を不問にする判断をしました。
▶今回のポイント
・虚偽領収書などを調査する百条委案が2020年3月の町議会で提案
・採決結果は反対9人、賛成3人の反対多数で否決
・反対討論では「自己申告で足りる」などと虚偽領収書を不問に
今回は、2020年3月24日に掲載した石田尾茂樹、岩山鶴美の両町議による反対討論をみてみましょう。
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石田尾茂樹町議「議員も職員も自己申告で足りる」
【動画】虚偽領収書などの出張旅費不正問題を調査する百条委員会の設置案に対して、反対討論する石田尾茂樹町議(2020年3月23日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面を撮影)
※一部に音声の途切れがあります
岩川俊広元議長の不祥事で開いた全員協議会で、私は旅費について、われわれ議員はみずからが申告するべきであると言った記憶があります。それで、みずから申告して、辞められた方もいましたが、やはり議員はそういうふうにして、みずから申告しなさいと、つい先日まで言っていました。
それで職員は第三者委員会で調べると言って、かなり議会として矛盾していると思っています。職員についても、私は自己申告で足りると思っています。
なぜ、私が言った時に、賛同してもらえなかったのか理解できない。私も質問したように、旅費の航空運賃ということについて限定されているので、それで反対します。
岩山鶴美町議「船の旅費も調査すべき」「第三者調査でなく自己申告でいい」
【動画】虚偽領収書などの出張旅費不正問題を調査する百条委員会の設置案に対して、反対討論する岩山鶴美町議(2020年3月23日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面を撮影)
航空運賃に係る出張旅費精算だけを(調査対象にすると)書いています。私たちは基本、高速船の運賃で出張に行っています。でも、フェリーもありますし、条例としては、やはり実費ということもあります。ですから、航空運賃だけはなく、フェリーもということになると思います。
あと、本調査に要する経費が100万円となっています。弁護士などを入れた第三者による調査が必要であると書いていますが、弁護士に頼んだら、これだけで済むのかと思われます。私はお金をかけずに、1年間の旅費の分を、みんなが自己申告すればいいと思っています。
それで、私たちがこの先、これをやって何が残るのかと、本当に不思議に思います。旅費の規程に関しては、抜け穴があったわけですから、そこは旅費の規程を改定するとか、(航空券の)半券を付けるとかという、今までの足りなかったものを、きちんとしていくことが必要だと思います。
それに出張旅費の精算のことを書いていますが、出張の本来の目的は、目的があって会合に出ることです。でも、旅費をもらって、会合に行かずにパチンコをしていたとか、そういう話も聞きます。
私はこのなかに、航空運賃に係る出張旅費精算を対象とするのではなく、やはり船も対象にする。それから、100万円を無償として、お金を使わずにやる。そして、その会合などもきちんと出席したかどうかを自己申告する。もし会議も出ていなくて、復命書などを書いていたら、これは文書偽造にもあたると思っています。
ですから、そういうところを、もし付け加えてくれるのであれば、私は賛成したいと思いますが、この中のことについては、納得いきませんので反対します。
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▶今回の教訓:自己申告では不正調査はできない
この時はわかりませんでしたが、その後の取材や監査で、さらに多くの虚偽領収書が見つかっています。
元議長の日高好作町議は領収書を発行した旅行会社で航空券を買っていないのに、その会社が出した虚偽領収書で航空運賃を請求。さらに、公務が終わった後に行った家族旅行の間も、宿泊費や日当、交通費を受け取っていました。
また、町の会計に責任を持つ会計管理者の桑原幸夫会計課長(当時)は大阪へ出張した際に、実際より高額の航空運賃が記載された虚偽領収書で精算したうえ、帰路に私的な旅行で立ち寄った長崎の旅程を伏せた形で、虚偽の旅費精算書を作成していました。
そのほかにも、一般職員を含めて多数の虚偽領収書の存在が判明していますが、積極的に自己申告して不正がわかった例は一つもありません。日高町議と桑原元会計課長に至っては、不正精算が判明しても「記憶がない」などと言って、領収書が発行された経緯をまったく説明していません。
つまり、なにか不正が起きたときの調査は、石田尾町議や岩山町議が主張する「自己申告」では不可能なのです。しかし、6月22日に否決された百条委設置案を含め、屋久島町議会は計4回にわたって不正調査を拒み続け、多数の虚偽領収書を不問にしています。
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した2枚の領収書。航空券代として、計4万8180円の金額が記載されているが、領収書を発行した旅行会社には販売記録が残されていなかった
これが屋久島町議の思考力ですか?
信じがたい発言のオンパレードに笑いしか起きません。
不正した側を必死に庇っていますが、支離滅裂で理に適ってないことに気付いてない。
有権者は知ってて票を入れているのか? それとも、知らないで入れているのか?
有権者の意見を多く聞いてみたい。
議員たる者、自分の発言には責任を持つべきです。
言いぱっなしではいけません。
その結果が、日高好作議員の不正の発覚ではありませんか?「自己申告でよい」という。
反対発言から2年以上が経過しています。
監査委員に指摘されてのことで、自己申告ではありません。
自己申告では誰も申し出が無いことが証明されたわけですから、発言に責任を感じるのであれば、今回の百条委員会の設置議案には賛成すべきでした。
その場しのぎの無責任な発言を重ねるようでは、議員としての資質はゼロと言わざるを得ません。
真剣に反省すると共に研鑽しましょう。
きょう見た神奈川県真鶴町の職員が相次ぎ退職のニュース
退職理由は町長への不信感
ここ数年の屋久島町内の職員&町議&町長の不正行為?で 何人が?誰が?辞めた?
こんな島で子育てはできない