垂水市盗撮事件

盗撮事件から40日後、調査検証もなく児童の受け入れ再開/鹿児島ポスト

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垂水市、謝罪も補償も再発防止策もないまま施設運営を継続

2025年度も同じ法人と業務委託契約

【左】垂水市のウェブサイトに掲載された市のマークなど

 鹿児島県垂水市の公共施設で2024年9月に盗撮事件が発生し、児童10人が被害に遭った問題をめぐり、市が事件の詳細を調査・検証することなく、事件発生から約40日後に施設の運営を再開していたことが、市民メディア「鹿児島ポスト」の取材でわかった。市は運営再開後も再発防止策を講じるなどの対策を取らないまま、2025年度も業務委託先の公益社団法人と契約を継続。被害児童の保護者に謝罪や補償もしておらず、実質的に市が事件を放置する状況が続いている。

市立小学校の空き教室で再開
 情報公開制度で垂水市が開示した関係文書によると、市は事件が発生した翌日の2024年9月13日から児童の施設利用を一時的に停止。その後、市は市教育委員会と協議したうえで、市立小学校の空き教室を利用して、10月21日から児童の受け入れを再開した。

 事件関係者によると、事件発生から運営再開までの約40日間、市が事件の調査や検証をすることはなく、再発防止策も講じないまま、運用を再開したという。また、盗撮した公益社団法人の職員は懲戒解雇されたが、その後も同法人が引き続き施設の運営を続けた。

盗撮職員、児童ポルノ禁止法違反などで有罪
 さらに、盗撮した元職員が2025年1月14日に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)などの罪で有罪判決を受けたのちも、市が被害児童の保護者に謝罪や補償をすることはなかったという。また、市は再発防止策を講じることなく、2025年度も同法人と随意契約で業務委託を続けた。

垂水市役所(鹿児島県ウェブサイトより)

垂水市、取材に「回答を差し控える」
 鹿児島ポストの取材に対し、公共施設を所管する垂水市保健課は次のコメントを出している。

「貴方がお聞きになられている事項は被害者が存する刑事事件に関するものであり、権利保護の観点から、情報の拡散は謙抑的にならざるを得ず、(中略)令和7年6月3日付けのメールで頂きました質問に対しては、回答を差し控えさせていただきます」

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