裁判で認めた虚偽報告 町議会で否定する異常事態 屋久島町補助金不正請求事件

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町、訴訟の答弁書で虚偽報告の事実を記載
なのに町議会で「虚偽報告だという認識はない」

屋久島町議会3月定例会一般質問

一般質問②20230316
【左】屋久島町が国に提出した虚偽の検査調書【右】屋久島町の荒木耕治町長

 屋久島町が水道工事で補助金を申請する際に虚偽の「工事完成日」などを報告し、国から補助金の返還命令を受けたのは町幹部の責任だとして、同町の住民が町を相手取り、荒木耕治町長ら幹部3人に約1668万円を賠償請求するように求めた住民訴訟――。

 同町の計屋正人・生活環境課長は町議会3月定例会の一般質問で答弁し、国への虚偽報告について、「虚偽報告だという認識はない」とする町の見解を明らかにした。町議からは「町は住民訴訟の答弁書で国に虚偽報告をした事実を書いている」と指摘されたが、計屋課長は「(補助金の返還命令を受けた)その段階では、虚偽(報告)に当たるのか否かがわからなった」と主張。裁判で認めた虚偽報告について、町議会では一転して否定する異常事態となった。

町議、虚偽報告について「国に報告する必要がある」

 真辺真紀町議は38日の町議会で質問に立ち、裁判所に提出された町の答弁書のなかで、職員が独断で国に虚偽報告をした事実が記載されていることを踏まえ、「国に(虚偽報告について)報告する必要がある」と主張。意図的な虚偽報告で補助金を受給した場合は、「補助金適正化法29条に該当する可能性がある」と指摘した。

担当課長、補助金返還の原因は「虚偽報告でなく業者の債務不履行」

 荒木耕治町長に代わって答弁に立った計屋課長は、国から補助金の返還命令を受けた段階では、職員が意図的に虚偽報告をしていた事実が不明だったため、「町としては、(返還命令の原因は)虚偽報告ではなく、あくまで(工事を遅らせた業者側の)債務不履行だと主張している」と説明。国に虚偽報告をした事実が裁判の答弁書に書かれてはいるが、「虚偽報告だという認識ではない」と主張した。

担当課長答弁20230308
国への虚偽報告について答弁する生活環境課の計屋正人課長=中央(2023年3月8日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより)

罰則重い補助金適正化法29条に該当の可能性

 それに対し真辺町議は、国が補助金の返還について審議する際に、意図的に職員が虚偽報告をした事実を町から知らされていなかったことを踏まえ、「(より罰則が重い)補助金適正化法29条に該当する前提になっていない」と指摘した。

 だが、住民訴訟を担当している総務課の木原幸治・統括係長は、補助金の返還に至ったのは「年度内に(工事が)完成しなかったことが原因だ」と主張し、計屋課長と同様に答弁。そして、補助金適正化法29条に該当するか否かについては、「(補助金を支給する)厚生労働省が判断するもので、屋久島町が判断するものでない」と反論した。

荒木町長答弁20230308
国への虚偽報告について答弁する荒木耕治町長=中央(2023年3月8日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより)

荒木町長「国に報告する必要ない」

 この日の一般質問で、計屋課長らに先立って答弁した荒木町長は、職員が独断で虚偽報告をした事実について、「住民訴訟が提起され、時系列の事実関係を確認する際に判明した」と説明し、補助金の返還命令を受けた段階では、町が虚偽報告の事実を把握していなかったことを認めた。だが一方で、国から報告を求められていないことを理由に、「あらためて国に報告する必要があるとは考えていない」と答弁した。

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  1. 責任ある発言を

    一般質問は、本会議で町政に対し町長に質問出来る
    議員に与えられた貴重な機会である。
    質問内容と質問する相手も、町長、教育長と指定して居る。
    今の屋久島町議会では、質問者に断わる事も無く
    町長に代わって、担当課長が答弁する事が平常である。
    町長が内容を掌握して無いのか、責任逃れか、全く
    質問に対して、責任を持つて答える姿勢が見えない。
    議員も「町長に聴いています、お答えください」の
    注文は付けるべきである。
    町の将来を審議する議会が軽すぎます。

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