新ごみ処理施設、2億5600万円増額で総事業費29億5000万円に/屋久島ポスト
想定になかった工事や物価上昇などで総事業費が増額 10月末ごろに正式稼働
着工前は意図的な無効入札で不正を疑う指摘も
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町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ(町報やくしま 2023年2月号より)
屋久島町が今秋の竣工をめざしている新ごみ処理施設の総事業費が、当初の約26億9000万円(税込み)から約29億5000万円(同)に増額されていたことが、町生活環境課への取材でわかった。建設地に埋まっていた岩を取り除いたり、河川水を引き込んだりするなどの工事が必要になったため、約2億5600万円の増額となった。
岩の撤去や河川水の引き込み工事などで増額
生活環境課によると、町は建設業者の「テスコ」(本社・東京都千代田区)と総工費26億9357万円(同)で契約した。だが、想定していなかった岩の撤去や河川水の引き込みの工事が必要になったほか、敷地の拡張工事、物価上昇に伴う資材の高騰によって、最終的な総事業費は29億5008万6000円(同)になったという。
事前公表の予定価格を15億円上回る意図的な無効入札
新ごみ処理施設の建設をめぐっては、一般競争入札に参加したテスコと川崎技研(本社・福岡市)のうち、川崎技研が事前公表されていた予定価格を約15億円上回る金額を提示して、意図的に失格になっていたことが発覚し、町議会で不正入札を疑う指摘が出されていた。だが、同町の荒木耕治町長は、意図的な無効入札について「残念に感じた」とする一方で、「企業戦略に基づく結果」だとして、問題がない入札だったという見解を示していた。
荒木町長、10月末の正式稼働を報告
荒木町長は8月18日に開会した町議会定例会で、新ごみ処理施設の「火入れ式」が7月30日に行われ、8月1日から試験運用が始まったことを報告。今後は性能試験などを実施し、10月末ごろに竣工式をしたのちに正式稼働するとした。