町議会の議長も旅費不正:【検証 屋久島町政】(9) 出張旅費不正問題
岩川俊広議長がシルバー割引で旅費着服
町役場と町議会の両トップが不正
(この検証シリーズは毎週火曜日に掲載します)
屋久島町の荒木耕治町長がシルバー割引を悪用して出張旅費を着服した問題は、2019年12月24日と25日の新聞報道で、その事実がほぼ明らかになりました。新聞報道を受けて、荒木町長は、シルバー割引を利用したのか否かを取材で問われると、それまでの完全否定から一転して、「記憶を掘り起こしている」と発言するようになりました。
これで、荒木町長がシルバー割引の利用を認めるのは時間の問題となり、あとは記者会見が開かれるのを待つばかりでした。
岩川俊広議長(当時)の出張旅費着服の問題を報じる鹿児島テレビのホームページ画面
ところが、それと並行して、思わぬ展開が待っていました。町議会の岩川俊広議長(当時)も航空券を払い戻し、シルバー割引で買い直して、その差額を着服していたというのです。報道各社の取材に対し、岩川議長はその事実を認めて、テレビカメラの前で謝罪もしました。これで町役場と町議会の両トップが、そろいも揃って、出張旅費を不正に着服していたことになり、町はにわかに騒然となりました。
荒木町長が12月10日の町議会一般質問で旅費着服疑惑を指摘された時、岩川議長は議長席に座って、シルバー割引利用の有無を問われた町長に対し、「町長」と答弁を促していました。そして、荒木町長は「ありません」などと3回にわたって否定しましたが、そのやり取りを、岩川議長はどんな気持ちで聞いていたのでしょう。
2019年の町議会12月定例会で議長席に座る岩川俊広議長(当時)
荒木町長の不正を追及するはずの町議会。それなのに、その町議会のトップまでもが、同じ不正をしていたとは・・・・・・。
屋久島町にとっては前代未聞の事態です。しかし、その一連の旅費不正は、さらに広がっていくことになります。
▶今回のポイント
・荒木町長の出張旅費の着服は、報道でほぼ明らかに
・さらに、岩川議長(当時)によるシルバー割引を悪用した旅費着服が発覚
・町役場と町議会の両トップが不正
今回は、2019年12月25日に掲載した記事「【速報】屋久島町議会 議長も航空券払い戻し」をみてみましょう。
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屋久島町の荒木耕治町長(69)が東京などに出張する際、町役場が購入した普通運賃の航空券を払い戻し、その半額以下となるシルバー割引で再購入して、差額を着服していたとされる疑惑――。
その後の取材で、荒木町長に加え、町議会の岩川俊広議長(69)が公務出張時に航空券を払い戻していたことが12月25日にわかった。岩川議長はシルバー割引の利用を認め、「認識が甘く申し訳ない。差額は町に返還したい」と話している。着服は2017年から5回ほどで、金額は数万円だという。
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2019年12月26日の町議会全員協議会で、出張旅費不正について説明する岩川俊広議長(当時)
▶今回の教訓:不正の謝罪は一度にまとめてする
出張旅費の着服問題を受けて、岩川議長は2019年12月26日にあった町議会の全員協議会で、議長を辞任することを表明しました。一方、議員の辞職は否定すると、同僚議員からは厳しい意見が飛び出しました。
「公金を横領した以上、議員も辞職するべき」
「議長が辞職しなければ、議会を解散して、全議員で出直すことを提案する」
それに対し、岩川議長は「支持者とも相談して考えたい」と述べるに留まり、結局は町議を辞職することはありませんでした。
ところが、岩川議長の旅費不正はシルバー割引の悪用だけではありませんでした。旅行会社から受け取った架空の領収書を使って、実際よりも高額な航空運賃を請求していたことが、その後に判明します。しかし、岩川町議は架空の領収書をもらった経緯などについては、未だに詳細な説明をしていませんが、それでも、いま現在も町議を続けています。
不正に次ぐ不正を釈明するには、時すでに遅しですが、町議である以上、いつまでも説明責任は問われます。
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