発覚から2年3カ月 出張旅費不正の監査終了 代表監査委員「3月中に報告予定」
焦点の架空領収書 未解明なら百条委員会の可能性も
鹿児島県屋久島町の荒木耕治町長らによる出張旅費の不正受給問題をめぐり、町役場と町議会の出張に不正はなかったかを監査する作業について、朝倉富美雄・代表監査委員は3月10日、すべての監査を終え、3月中に監査報告書を荒木耕治町長に提出する予定であることを明らかにした。荒木町長による旅費着服の発覚から約2年3カ月を経て、ようやく一連の出張旅費不正問題の監査結果が出る見通しとなった。架空領収書の実態に迫ることができるか、それが焦点になる。
出張旅費不正問題の監査が終了したことなどを説明する朝倉富美雄・代表監査委員(2022年3月10日、屋久島町議会、議会中継のモニター画面を撮影)
架空領収書の実態、未解明な場合は「百条委員会の設置を提案」
この日あった町議会一般質問で、監査の進捗状況を問われた朝倉委員は「ひと通り監査を終え、今月中に報告できるように監査報告書の準備を進めている」と述べ、詳細な内容については荒木町長に報告した後、町議会にも伝えるとした。
監査の対象者のうち、聴き取り調査に応じた人数も問われたが、「数字的にはつかんでいるが、それも含めて一緒に報告する」として、回答を拒んだ。
それに対し、一般質問に立った真辺真紀町議は「(監査結果で)注目されるのは架空領収書の存在だ」と指摘。もし、監査報告で実態が明らかにならなかった場合は、町議会で不正調査をする百条委員会の設置を提案する考えを示した。
岩川浩一副町長(当時)が「見積もり段階でもらった」とする航空運賃の領収書。「¥72,220」の金額と「鹿児島~名古屋航空券代」の但し書きが実際とは全く違う内容だった
荒木町長ら幹部4人が起訴猶予処分
町幹部らによる出張旅費不正問題は2019年12月、荒木町長が航空運賃のシルバー割引を悪用し、旅費の一部を着服したことが発覚して始まった。その後、岩川浩一副町長(当時)や岩川俊広議長(同)らによる架空領収書を使った不正も判明し、荒木町長ら町役場と町議会の幹部4人が詐欺などの疑いで刑事告発された。その結果、鹿児島地検は2020年10月までに全員を起訴猶予の不起訴処分として、それぞれの容疑事実を認めた。さらに、一連の不正は一般職員にも広がり、被害総額は少なくとも約230万円にのぼった。
この問題を受けて、住民団体が2021年3月に住民監査請求をしたが、町監査委員は同年4月に請求を却下。一方、町議会で第三者による調査を求める意見が出ていたため、荒木町長が監査委員に対して監査を請求していた。
旅行会社が岩川俊広議長(当時)に発行した航空運賃の領収書。実際は航空券を購入していないのに、領収書だけが発行されていた