死亡事故後に勤務した長峰牧場職員「週40時間以内で十分に業務を遂行できない」と証言 屋久島町営牧場 過重労働死訴訟
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屋久島ポスト – The Yakushima Post
地裁、損害額から遺族補償一時金を差し引く際に計算間違い
労働管理を怠った町の責任を認める和解案
屋久島町営牧場・過重労働死訴訟

2019年8月に屋久島町営の長峰牧場で町職員だった田代健さん(当時49)が公務中に死亡し、過重労働で心筋梗塞を発症したことによる公務災害と認定されたことを受けて、田代さんの遺族が屋久島町(荒木耕治町長)を相手取り、約7000万円の損害賠償を求めた民事訴訟――。
この訴訟で10月31日に示された和解案について、鹿児島地裁が11月10日付で修正版を出し、町が遺族に支払う解決金を4500万円から4000万円に減額したことが、屋久島町などへの取材でわかった。公務災害を認定した地方公務員災害補償基金が支給した遺族補償一時金を損害額から差し引く際に、計算に間違いがあったため、500万円を減額したという。
地裁が示した和解案は、労働時間の管理を怠った町の責任を認めるもので、町に対して、亡くなった田代さんに哀悼の意を捧げるとともに、適正な労働管理で再発防止に努めることを求める内容となっている。
今後、町と遺族は和解案の内容を精査したうえで、次回の裁判が開かれる11月25日までに、この条件を受け入れるかどうかを判断する。