【読者の声】屋久島町議会は何もかも賛成する町長の御用議会
「町長が進むべき道を誤りそうなときには、正しい方向にハンドルを切りなおすよう提言するのが議会本来の役割」
二元代表制は「相互のけん制・抑制と均衡による首長と議会の緊張関係」
町長と町議会のあり方について書いてみたいと思います。
皆さんご承知のように、町長が屋久島町の有権者によって選出されるのと同じように、町議会議員も屋久島町の有権者によって選出されます。
そのような理由から、町長も町議会議員も我々屋久島町有権者の代表者であることに変わりはないわけです。
ゆえに、特に町議の皆さんに申し上げたいのですが、町長の言うことなすこと何もかも賛成するのが議会の仕事だと思っているのであれば、それは大きな間違いです。町民の代表として、町長の町政運営に対して時にはブレーキをかけ、また町長が進むべき道を誤りそうなときには、正しい方向にハンドルを切りなおすよう提言するのが議会本来の役割です。
ところで町長は、議会を敵に回したら何も仕事ができなくなってしまうくらい、議会は法律によって権限を与えられています(地方自治法第96条~第100条の2その他)。
具体的には、次のようなものがあります。
1)条例を設け又は改廃すること。
2)予算を定めること。
3)決算を認定すること。
4)その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
5)第100条の規定に基づく「百条委員会」の設置
次に、いわゆる人事案件と言われる副町長、監査委員、教育長及び教育委員、農業委員会委員については、町長が提案し議会の同意を得て選任することになっていますし、選挙管理委員及び補充員については、議会による選挙で選任することになっています。
このように議会の議決がないと、条例の制定及び改廃は勿論、予算も組めなくなるし工事請負契約も締結できなくなります。さらに、人事案件についても選挙管理委員及び補充員以外については、議会が同意しないと副町長等が選任できないわけですから、町長にとっては仕事どころではなくなってしまいます。
最後に、町長も様々な権限を持っていますが、同様に議会も上述したように色々な権限を持っています。
この首長と議会議員を自治体住民が直接選挙で選ぶ仕組みを二元代表制と言います。 二元代表制の意図するところは、相互のけん制・抑制と均衡によって首長と議会が緊張関係を保ち続けることにあるわけですが、町長に対する我が屋久島町議会の現状は、残念ながら御用組合ならぬ御用議会と言わざるを得ません……。
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