町監査委員、住民監査請求を正式に受理 鹿児島県屋久島町・補助金不正請求事件
「荒木町長が虚偽報告の事実を7カ月間放置して返還命令」
返還額の弁済と第三者委員会の設置を判断へ
2022年5月19日付で出された住民監査請求書の受理と監査の実施を伝える文書
鹿児島県屋久島町が水道整備工事で国に補助金を申請する際に、すべての工事が完成したと虚偽の報告をした補助金不正請求事件をめぐり、町監査委員は5月19日、同町の住民から出された住民監査請求書を正式に受理し、監査を実施することを決めた。監査請求した住民は、荒木耕治町長が虚偽報告の事実を国に伝えず約7カ月にわたって放置し、国から補助金約1668万円の返還命令を受けたと主張。町長ら幹部と担当職員に対して、全返還額の弁済と再発防止策を検討する第三者委員会の設置を求めている。
監査委員「受理しない理由ない」
監査委員事務局によると、5月9日付で出された住民監査請求について、監査委員2人が5月19日までに監査の必要性を検討。その結果、「受理しない理由がない」と判断し、請求した住民に対して、請求書の受理と監査を実施することを文書で伝えた。
住民監査請求書を町監査委員事務局長に手渡す小脇清保氏=中央=ら(2022年5月9日、屋久島町役場議会棟)
「虚偽報告で町に約1668万円の損害」
住民監査請求書を提出したのは元町議の小脇清保氏ら2人。
監査請求書によると、担当課の町職員は2021年3月末、一部の工事が未完成だったにもかかわらず、「すべての工事が終わった」とする虚偽の報告書を国に提出。その後、荒木町長ら町幹部は虚偽報告について把握したが、その事実を国に伝えず、約7カ月にわたって放置した。
その結果、町は2022年3月に国から補助金の返還命令を通告され、加算金を含めて1667万7534円を返還し、同額の損害を町財政に与えたという。
それらの事実を踏まえ、小脇氏ら2人は荒木町長や担当職員に対し、国に返還した全額の弁済と再発防止策を講じるための第三者委員会の設置を求めている。
住民訴訟の可能性も
監査が実施されることを受けて、小脇氏は取材に「返還額の弁済や第三者委員会の設置はすべて却下されると思うので、その場合は住民訴訟を提起して、責任の所在を明確にしたい」と今後の方針を示した。
一方、町総務課の岩川茂隆課長は「今から監査が始まるので、町としてのコメントは差し控えたい」とした。
住民監査請求は、請求があった日から60日以内に監査を行うことが地方自治法で定められている。また、監査結果に不服がある場合は、請求者は住民訴訟を提起できるとされている。
■住民監査請求の関連記事
■補助金不正請求事件の関連記事一覧