『町長の宅急便』贈答品の送料は26万円 屋久島町長交際費問題

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荒木町長、贈答品の送付 大半を中止の方針で経費節減へ

鹿児島市は交際費で送料の支出なし

宅配便
【右】東京・永田町の国会議員会館に焼酎を送った際に記載した宅配便の送り状
【左上】屋久島町が贈答品の送付に利用しているヤマト運輸のロゴマーク
【左下】屋久島町の荒木耕治町長


 屋久島町の荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に多額の贈答品を国会議員らに贈っていた問題をめぐり、贈答品の送料に支出した金額が少なくとも約26万円だったことがわかった。送付した数は延べ317件。そのうち約6割の果物の贈答で送料が不明なため、実際の支出額はさらに高額だったとみられ、市長交際費で送料の支出がない鹿児島市と比べても異常な多さだ。荒木町長は国会議員や鹿児島県知事らに数多くの贈答品を送ってきたが、今後は姉妹都市などを除き、大半の贈答を中止する方針だ。

果物を含めると送料はさらに高額

 屋久島ポストが開示請求した交際費の支出記録によると、20172021年度の5年間で、荒木町長が贈答品の送料に支出した金額は少なくとも26731円だった。送付した数は延べ317件だが、そのうち領収書などで送料が確認できるのは、焼酎や魚介類などを送った133件。残りは果物を送った184件で、領収書には送料込みで金額が記載されており、実際に支出した送料の総額はさらに高額だったとみられる。

請求書2
焼酎の贈答で屋久島町が受け取った請求書。1件で計60本を5口に分けて送り、送料は計1万230円となっている


国会議員への送料は焼酎と魚介類で10万円

 送料が確認できる焼酎と魚介類の贈答では、総額26731円のうち4割強に当たる108198円が国会議員宛てで、最も多いのは森山裕衆院議員の32780円だった。残りの送料152533円は鹿児島県知事や各自治体、鹿児島環境文化財団、民間会社などへの贈答で支出された。

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焼酎「三岳原酒」を3ケース(36本)を東京・永田町の国会議員会館に送るために記入した宅配便の送り状。森山裕衆院議員の事務所に贈答して、送料は4779円だった

鹿児島市は交際費で送料の支出ゼロ

 5年間に317件もの贈答品を宅配便で送るのは、大量の焼酎をまとめて贈ったり、季節の果物を定期的に贈答したりしているからだ。そして、送料が確認できる133件だけでも約26万円を支出しており、県内最大規模の自治体である鹿児島市と比べても、屋久島町が突出して多いことがわかる。

 鹿児島市がウェブサイトで公開している市長交際費の支出記録によると、20172021年度の5年間で、約120人に贈答品を贈っているが、宅配便などで送付した記録は1件もない。すべての贈答品は「訪問」または「来訪」の際に贈られており、贈答額も130004000円程度で、屋久島町とは桁違いに低額である。

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鹿児島市役所(
Wikimedia Commons より)

大半の贈答を中止 「町長の宅急便」は激減へ

 これまでの贈答について、荒木町長は屋久島ポストの取材に「私の政治は情の部分が多かったかもしれないと反省している。今後は金額や頻度を改めていきたい」と述べ、不適切な支出だったことを認めている。今後は姉妹都市などを除き、国会議員や鹿児島県知事らへの贈答は中止する方針で、『町長の宅急便』は激減する見通しだ。

■屋久島町長交際費問題の記事一覧

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