取材後記

【取材後記】それでも「おいしい焼酎」を国会議員に贈りますか?/編集委員会

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町民の生活苦を顧みず、荒木町長が続ける異常な高額贈答

取材後記20221023
屋久島町長の荒木耕治町長(左)と日高豊副町長(右)

 物価高騰対策と子育て支援のために、18歳以下の住民1人に1万円を給付する。そんな記事が1022日付の南日本新聞に出ていた。

 ただし、残念ながら屋久島町のことではなく、同じ鹿児島県内のいちき串木野市の話である。

 記事によると、1万円の給付対象は、20233月末までに出生した新生児を含めて約4100人。そのほか、全世帯と事業者に対して、水道の基本料金を4カ月にわたって免除するなどの支援もするという。


急激な値上げが町民の家計を圧迫

 ウクライナ戦争や円安などの影響で、ほかの市町村と同様に、屋久島町民の家計は圧迫されている。食料品店に買い物に行くと、以前は300円ほどだった食用油に600円の値札が貼られ、毎日の食卓に欠かせない玉子も2倍の200円前後に。どの食料品を手に取っても、ため息が出るほど価格が上がっている。

荒木町長、1件数万円~10万円の贈答を「妥当」

 だが、わが町の舵取りをする荒木耕治町長からは、いちき串木野市長のような英断が伝わってくることはない。それどころか、交際費と称して、国会議員らに1件で数万円~10万円分の焼酎などを贈答しているにもかかわらず、その支出について「妥当だと思う」と町議会で答弁する始末だ。荒木町長にとって、1件で数万円を超える贈答は日常茶飯事ということで、そこには、物価高に苦しむ屋久島町民への思いは微塵も感じられない。

日高副町長、町民の異議より町長の「裁量」を尊重

 町長交際費の支出を判断している日高豊副町長も、町民の苦しい生活に心を寄せることなく、高額な贈答の支出命令書に決裁印を押し続けている。納税者である町民として、高額な贈答に取材で異議を唱えると、日高副町長は「そこは、そう(町民に高額で不適切な贈答だと)取られれば、そうなんでしょう」と開き直り、荒木町長の「裁量」を尊重し続けている。

高まる批判「町税の私物化」「異常な金銭感覚」・・・

 まさに、屋久島町民の暮らしを顧みない、極めて身勝手な町政運営である。

 それゆえ、屋久島ポストには、荒木町長と日高副町長に対する批判の声が多くの町民から寄せられている。

 「町税を私物化している」「異常な金銭感覚」「一般常識からかけ離れた贈答」・・・・・・

 どれも厳しい批判ばかりだが、1件で数万円~10万円の贈答を「妥当」だと言ってのける荒木町長と日高副町長に対しては、これでもまだ言い足りないくらいだ。

 日々の町政を担う二人には反論もあるだろうが、最も肝心なのは町民の人心であり、日々の暮らしである。

 今後、屋久島町にも、いちき串木野市の中屋謙治市長のような英断を期待したいものである。だが、荒木町長は過去5年間に約900本もの焼酎を国会議員らに贈っている。もし今までどおり、この贈答を「妥当」だとして続けるならば、私たち町民に回す独自の予算はとても確保できないであろう。


【動画】屋久島町議会の一般質問で、屋久島ポストの報道を否定する荒木耕治町長(2022年9月13日)=前半(屋久島町議会YouTubeチャンネルより)。事前取材で森山衆院議員への贈答を認める荒木耕治町長=後半


【動画】屋久島町長の交際費について町議会で答弁する日高豊副町長(2022年9月13日、同町議会YouTubeチャンネルより)

■屋久島町長交際費問題の記事一覧

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