【検証】町長に続き 副町長や議長らも旅費不正 屋久島町長選2023
町の「金庫番」会計課長も不正精算 荒木町長、虚偽領収書15枚を調査せずに放置
一方、副議長は地元紙に「実際より高額な領収書を書いてもらい、多めに旅費を受け取った」
これまで判明した多数の虚偽領収書や虚偽精算書を前に、取材で説明を受ける荒木耕治町長=中央奥(2022年6月2日、屋久島町役場)
航空運賃のシルバー割引を悪用して、約200万円もの公費を着服していた荒木耕治町長だが、町役場をめぐる出張旅費不正問題はそれだけでは終わらなかった。
2020年2月以降になると、荒木町長に続いて、町ナンバー2の岩川浩一副町長(当時)、町議会トップの岩川俊広議長(同)らの出張旅費不正が次々と発覚。今度はシルバー割引ではなく、虚偽の領収書を使った不正精算だった。実際の航空運賃より高い金額が書かれた偽の領収書で精算して、その差額を着服するという手法である。
岩川浩一副町長(当時)が町に提出した「見積もりの領収書」。金額と但し書きが実際とは違っていた
荒木町長は議会や取材で嘘をついて、シルバー割引の悪用を隠蔽しようとしたが、岩川副町長や岩川議長らは嘘の領収書で不正精算していた。町長も嘘、副町長も嘘、そして町議会の議長までもが嘘となり、さながら屋久島町は「嘘にまみれた町」となった。
虚偽領収書の発覚を受けて、町幹部から出た釈明の言葉は実に滑稽だった。
岩川副町長は取材に「見積もり段階の領収書」と手を震わせながら説明した。岩川議長は「予約でもらった領収書だ」とだけ答え、すかざす「すべて警察で話す」と言って電話を切った。
だが、見積もりや予約で領収書がもらえるはずはなく、二人が嘘をついていることは明らかだった。もし、本当に見積もりや予約で領収書が出たとすれば、航空券を販売した旅行会社が虚偽の領収書を違法に発行していたことになる。いずれにしても、嘘が前提となった釈明だった。
一方、当時の副議長だった岩川修司氏だけは正直だった。その後、虚偽領収書の問題が刑事事件になった段階で、地元紙の取材に「東京ではタクシー代などがかかるため、実際より高額な領収書を書いてもらい、多めに旅費を受け取った」「大変悪いことをした。町民に深くおわびしたい」とコメントしている。
出張旅費不正精算の引責で議長を辞任し、議場であいさつした後に自席に戻る岩川俊広町議(中央手前)。左は荒木耕治町長(2020年1月10日、屋久島町議会)
そして、これまでに判明した虚偽領収書は少なくとも15枚ある。そのなかには、町の「金庫番」である桑原幸夫会計課長(当時)が不正精算に使った虚偽領収書も含まれており、屋久島町としては、社会的信用が失墜する前代未聞の事態である。
ところが、荒木町長は虚偽領収書の発行経緯について、一切の調査をせずに放置したままだ。一部の町議に迫られ監査が実施されたものの、町監査委員は「領収書の発行経緯は監査の対象外」と言って、虚偽領収書を不問にしてしまった。
つまり、荒木町長は少なくとも15枚もある虚偽領収書について、うやむやの状態で幕引きを図ったということである。
それにもかかわらず、今秋の町長選で4選をめざす荒木町長の後援会長は、「(荒木町長らが)自ら反省し、町全体で再発防止を行い、改善しようとしている」と主張。「討議資料」と称するチラシを戸別配布して、現職町長への支援を広く呼びかけている。
屋久島ポストが配信した連載記事「【検証 屋久島町政】出張旅費不正問題」を再録するシリーズの5回目では、荒木町長に続いて、岩川副町長や岩川議長までもが出張旅費の不正精算をしていた経緯などについて振り返る。
●見積もりで領収書がもらえる町:【検証 屋久島町政】(17)
2022年6月27日配信
●ホテル代を二重にもらえる町:【検証 屋久島町政】(18)
2022年6月28日配信
●予約だけで領収書がもらえる町:【検証 屋久島町政】(19)
2022年6月29日配信
●金額を水増しした領収書がもらえる町:【検証 屋久島町政】(20)
2022年6月30日配信
「予約でもらつた領収書」、だとか、副町長の「見積り領収書」には驚く前に、新語大賞に応募しようと思ったぐらいでした。
町の幹部が日常茶飯事のように繰り返し不正を行っている訳だから、調査なんてやる筈も無い。
まだ終わって居ません、原因を糾明して再発防止を構ずる人物を選らばなければならない。
「東京ではタクシー代などがかかるため、実際より高額な領収書を書いてもらい、多めに旅費を受け取った」と、唯一正直に旅費を多めに受け取った経緯を説明している、岩川修司氏がやけに清々しく見えるから不思議だ。
一方、記者会見まで開いて「まるで犯罪者かのような報道をされてたいへん迷惑している」と、訴えを起こすパフォーマンスをして、表向きには嘘をつきとおしている岩川浩一氏はたいへん格好が悪い。
正直者と嘘を貫き通す両者が、全く同じ(起訴猶予による)不起訴処分である検察の判断は、(嘘つきを肯定しているようで)何か釈然としない。
ただ単に金に汚い人たちです。
こんな人たちが町政に関わること自体が異常です。
こんな人たちを選ぶ町民も同類です。