【動画】罰金命令の岩山町議「ごみポイ捨て罰金条例 提案」の取材を拒否 屋久島町議アパート廃材・投棄焼却事件

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ごみを捨てる町民を批判した20199月の一般質問に「それは内容が違う」

罰金を科せば「子どもたちも捨てなくなる」

【動画】廃棄物の不法焼却で罰金50万円の略式命令を受けた屋久島町議会の岩山鶴美町議。2019年9月の町議会で、ごみのポイ捨てに罰金を科す条例の制定を提案したが、その1年後に不法な投棄と焼却をして、2023年8月に有罪が確定した

 屋久島町議会(石田尾茂樹議長)の岩山鶴美町議(66)が自身で経営する賃貸アパートのリフォーム廃材を不法に焼却したとして、廃棄物処理法違反の罪で罰金50万円の略式命令を受けた事件――。

 岩山町議は828日にあった全員協議会に出席し、有罪確定後、初めて事件について説明して、町民に「誠に申し訳ございません」などと謝罪した。だが、20199月の町議会一般質問で、岩山町議がごみを捨てる町民が多いことを批判して、ごみのポイ捨てにも罰金を科す条例の制定を提案したことについて、屋久島ポストが質問をすると、岩山町議は「それは(今回の事件と)内容が違う」として回答を拒否した。

不法投棄1年前に議会で「不法投棄というのは犯罪」

 岩山町議は、今回の事件を起こす1年前の20199月にあった町議会一般質問で、ごみのポイ捨てにも罰金を科す町独自の条例を制定するように荒木耕治町長に求めていた。その際に、岩山町議は「不法投棄というのは犯罪に当たる」「5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられる」などと説明。続けて「最近数件すごいたちの悪い不法投棄があって、どこの集落とは言わないが、罰金を科せられて検挙したということだ」と報告したうえで、「ああ、やっぱり多いんだなというか、それだけのことする人いるんだなって、すごい残念だった」と言って、不法投棄が多いことを嘆いた。

岩山町議②
屋久島町議会の一般質問で、不法投棄の刑罰について説明する岩山鶴美町議(2019年9月13日、同町議会)

罰金を科せば「子どもも捨てなくなる」

 また岩山町議は、子どもを含めてごみを捨てる町民が多いことを批判し、ごみのポイ捨てに対する罰金付きの条例をつくることで「子どもたちにも(罰金のことが)周知されて、ごみを捨てなくなる」と指摘。荒木町長に「タバコ1本でも許さない」「ごみのポイ捨てを許さない」「世界に通じるきれいな屋久島を、大人も子ども目指していきましょう」などと訴えて、屋久島町独自の条例制定を強く求めた。

2年前の「注意」が一転して有罪に

 国内でも例のない厳しい条例を提案した岩山町議だったが、それから1年後の20209月ごろにリフォーム工事で出た廃材を投棄して、同年12月に焼却。その後に捜査を受けたが、検察からは「注意」という処分で終わった。だが、現場の写真を撮影していた町民から20222月に刑事告発されたことで再捜査となり、20237月に略式起訴され、同年8月に罰金50万円の略式命令を受けた。

略式起訴に同意したのに「検察の処分に驚いている」

 有罪の確定を受けて、828日に開かれた全員協議会で、岩山町議は「今回の私の廃棄物処理法違反の件につきましては、町民の皆様には、大変なご心配とご迷惑をおかけ致しました」などと謝罪。だが、2年前に「注意」で終わった事件で一転して有罪となったことについては、「検察庁の処分が変わってしまったことにも驚きを感じている」などと疑問を呈した。

【速報】岩山町議20230828
罰金50万円の略式命令を受けた経緯などについて、屋久島町議会の全員協議会で説明する岩山鶴美町議(2023年8月28日、同町議会の議会中継モニターを撮影)

同じごみ問題に対する罰金の話なのに「内容が違う」

 全員協議会が閉会したのち、岩山町議は報道各社に囲まれて取材を受けた。

 そのなかで、屋久島ポストは「ごみのポイ捨てにも罰金を科す条例を提案していたのに、なぜ今回このようなことをしたのか」と質問したが、岩山町議は「それは内容が違ってくると思う」と回答を拒否。それに対して、屋久島ポストは「違いません」と言って、同じごみ問題に対する罰金の話であると反論した。だが、岩山町議は質問に答えることなく話題をそらし、最後は一方的に屋久島ポストに記事の訂正を求めて立ち去った。

全協後)回答を拒否
2019年9月の町議会一般質問で、ごみのポイ捨てにも罰金を科す条例の制定を提案したことに関する質問を拒否する岩山鶴美町議(2023年8月28日、屋久島町役場議会棟)

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