もらえない補助金をもらった法的責任、荒木町長ら町幹部に【訴訟の町④】屋久島町長選2023
町、補助金1668万円返還は「工事遅延を招いた業者の責任」➡ 地裁、職員の指導監督を怠った町幹部の注意義務違反を認定
担当職員、町公印を勝手に押して国に虚偽報告
【上左】工事未完成で「工事完成」と報告した虚偽の検査調書【上右】屋久島町の荒木耕治町長【下】鹿児島地裁の法廷と外観(裁判所ウェブサイトより)
屋久島町の荒木耕治町長が治めた3期12年の終盤は、杜撰な町政運営をめぐる住民訴訟で大きく揺れた。
一つは補助金不正請求事件をめぐる訴訟で、原告の住民は、国から補助金1668万円の返還命令を受けた町幹部の責任を追及。もう一つは町長交際費を問題にした訴訟で、荒木町長は国会議員らへの高額贈答で支出した計200万円の返還を求められている。
今年11月に荒木町長が任期満了を迎えるのを前に、現町政で続いた訴訟について振り返り、その問題を連載で検証する。4回目は、町が水道工事の補助金を申請する際に、国に虚偽報告をして補助金の返還命令を受けた問題をめぐる住民訴訟を取り上げる。
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町、工事未完成なのに「すべて完成」と国に虚偽報告
鹿児島地裁の202号法廷で9月6日、屋久島町民にとっては「画期的な判決」が言い渡された。
「被告は、荒木耕治、日高豊及び矢野和好に対し、連帯して135万2204円及びこれに対する令和4年10月6日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払うよう請求せよ」
町は水道工事の補助金を国に申請する際に、受給条件の工期内に工事が終わらなかったにもかかわらず、「すべての工事が終わった」とする虚偽の報告書を提出。結果的に国から補助金1668万円の返還命令を受け、その責任の一部が荒木町長ら町幹部3人にあると認められたのだ。
【左】鹿児島地裁の法廷【右】鹿児島地裁(裁判所ウェブサイトより)
「そもそも受給できない補助金」の加算金に法的責任
請求額の大半は、工事が未完成で補助金は「そもそも受給できなかった」として棄却された。だが原告の住民は、補助金返還の際に支払った加算金部分の賠償が認められ、「実質的な勝訴だ」と喜んだ。なぜなら住民訴訟を提起するまで町は、補助金返還の全責任は「工事遅延を招いた業者にある」と主張。それに対し判決では、虚偽報告をした担当職員を適切に指導監督できなかった荒木町長らに法的責任があると認定されたからだ。
訴訟で初判明、幹部の決裁なく国に報告
住民訴訟では、担当職員による杜撰かつ身勝手な業務の実態が、裁判の審理によって、初めて明らかになった。
2021年3月末に担当職員が国に虚偽の報告書を提出した際に、実は荒木町長ら幹部はその報告書に目を通すことなく、自分自身で決裁印を押していなかった。町が地裁に出した答弁書によると、複数の担当職員が上司の決裁を受けることなく、町の公印を勝手に押印したうえで、虚偽の報告書を国に「独断で提出」していたというのだ。
虚偽の報告書を提出する際、担当職員が上司の決裁を受けることなく、勝手に押印したとされる屋久島町長の公印
幹部、職員の釈明を鵜呑み 国に報告せず
そして同年4月に入り、荒木町長ら幹部は虚偽報告の事実を役場内で内々に把握したが、担当職員の釈明を鵜呑みにして、工事を担当した複数の業者に聴き取り調査をしなかった。さらに、国や鹿児島県に虚偽報告の事実を報告しないまま、そもそも受け取れないはずの補助金を受領したというのだ。
地裁の判決は、その杜撰かつ身勝手な担当職員の業務に対し、指導監督すべき立場である荒木町長ら幹部に注意義務違反があったと判断。「職員の説明をたやすく信用すべきではなかった」として、虚偽報告で生じた加算金について、幹部に法的責任があると認めたのである。
荒木耕治町長ら幹部に注意義務違反があったことを認めた判決文の一部
自主的な調査を怠り 司法に頼る町幹部
この訴訟の取材で疑問に感じたのは、これほど重大な担当職員の不正について、なぜ荒木町長らは訴訟ではなく、自主的な調査で明らかにできなかったのかということだ。
虚偽報告の事実を内々に把握すれば、担当職員だけでなく、工事を担当した全業者に聴き取り調査をするのは当然のことだ。さらに、虚偽報告の事実を国や県に報告することなく、何事もなかったかのように、補助金を受給したのは言語道断である。
つまり、もし住民訴訟が提起されていなかったら、この担当職員の不正な業務の実態は誰にも知られることなく、そのまま放置されていたということだ。そして、この補助金不正請求事件について、もし屋久島ポストなどが2021年11月に報じなければ、国も県も虚偽報告の事実を知ることなく、町は不正に得た補助金を受け取ったままにしていたということである。
控訴審のゆくえを左右する町長選
「バレなければ、そのままもらっておけばいい」と思ったか、どうかはわからないが、客観的な事実を踏まえると、そう思われても仕方がないほど杜撰な対応である。それゆえ、鹿児島地裁は荒木町長ら幹部に注意義務違反の不法行為があったと認めたのであろう。
この一審判決に対し、荒木町長は不服があるとして控訴を決めており、11月初めまでには、控訴理由書を福岡高裁宮崎支部に提出することになっている。その直前の10月29日には屋久島町長選があり、控訴審のゆくえは、その結果に大きく左右されるとみられる。
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前副町長、元職員、現職員の旅費の不正の時も
全て職員の起票ミスと言う理由を付けて、自分の不正の罪を逃れようとしたり、兎に角腐り切っています。
今回も、担当職員が勝手に、印鑑を押して書類を提出した等と、考えられ無い理由を平気で付くのは、この行政の最も汚れた部分である。
管理責任なんて言葉の意味すら知ら無いようだ。
良く首長が務まりますなあー
そもそも、荒木町長の発言は本人の思考判断から行われてるのでしょうか。
法務事務専門員への相談回答なんでしょうか。
この点の事実を知りたいです。
どちらにしても一般的思考力の判断結果とは思えません。
自治体の体をなしていない。
法務事務専門員って、本当に法律の専門家なのでしょうか。
言い逃れ指南役ならしっくりします。