【取材後記】虚偽領収書、このまま放置していいのか?/編集委員会
責任を「たらい回し」する荒木町長、町議会、監査委員
本当にこのまま放置してもいいのでしょうか? 屋久島町役場や町議会の幹部らが出張旅費の不正精算に使った虚偽領収書のことです。
これまでに判明したなかで、同じ旅行会社が発行した虚偽領収書は少なくとも15枚。前副町長や元会計課長、そして歴代議長3人を含む計10人が、それらの領収書を使って不正精算を続けていたのです。
監査委員「町長から問い合わせがない」と不問に
それなのに、町役場と町議会は頑なに不正調査を拒み続けています。そして、荒木町長から独立して町の会計をチェックすべき監査委員2人は、虚偽領収書の発行経緯について「町長から問い合わせがない」などと言って、調査を一切することなく不問にしてしまいました。
荒木町長「監査権は独立、結果は尊重する」
その監査委員の判断を受けて、荒木町長は取材に「私も(発行の経緯を)知りたいと思うが、監査委員の判断で出した結果だと理解している」と述べました。そして6月議会の一般質問では「監査権は独立したもので、その結果は尊重する」と答弁したうえで、町がみずから第三者委員会を設置して調査することを否定しました。
町議会「調査したら監査委員は罷免」と結果容認
さらに6月議会では、虚偽領収書について不正調査をする百条委員会の設置案が発議されましたが、議長を除く15人中9人の町議が反対して否決されました。理由は「(百条委で)調査するとなれば、議会が認めた今の監査委員を罷免する必要がある」。つまり、荒木町長と同じように、監査委員の判断を尊重するということです。
延々と続く責任転嫁の連鎖
監査委員は「町長から問い合わせながない」として不問。
荒木町長は「監査の結果は尊重する」と答弁。
町議会も「調査すれば監査委員を罷免する必要がある」として監査結果を容認。
これでは、荒木町長と町議会、そして監査委員が虚偽領収書の問題を「たらい回し」にして、不正調査の責任から逃げ回っているのと同じです。
一連の旅費不正問題が発覚してから、まもなく2年8カ月。こんな責任転嫁の連鎖を続けていたら、この虚偽領収書の問題は延々と続くことになり、屋久島町の社会的な信用はさらに低下することになるでしょう。