事実無根の主張「係争中」理由に放置 屋久島町長交際費・住民訴訟
被告町「電話で照会が繰り返され相手方に迷惑」➡ 屋久島ポストが訂正求め抗議も「回答を控える」
国会議員への贈答中断の理由めぐり
【左上】屋久島町の荒木耕治町長【中央上】国会議事堂(Wikimedia Commons より)【右上】森山裕衆院議員(Wikimedia Commons より)
【下】荒木町長が贈答した焼酎「三岳原酒」
屋久島町の荒木耕治町長が交際費で国会議員らに高額の贈答をしたのは違法な支出だとして、同町の住民が町を相手取り、荒木町長に贈答で使った約200万円を賠償請求するよう求めた住民訴訟――。
4月にあった第2回口頭弁論で、荒木町長が国会議員への贈答をすべて中断した理由について、被告の町が、屋久島ポストの電話取材で国会議員側に「迷惑がかかるなどの事情を危惧、考慮して差し控えた」と主張した問題をめぐり、町は5月26日、陳述書や準備書面の訂正を求めていた屋久島ポストに対し、「係争中であることから回答を控えます」と文書で伝えた。町長交際費をめぐる取材で、屋久島ポストが国会議員側に電話をしたことはなく、町に対し「事実無根の主張だ」と抗議していた。
住民訴訟で原告の住民は、荒木町長が定期的に続けてきた森山裕衆院議員(鹿児島4区)ら国会議員への贈答について、2022年7月以降はすべての贈答が中断されていると指摘し、その理由を町に問いただした。
 それに対し、町は4月12日付で町総務課の岩川茂隆課長の陳述書を鹿児島地裁に提出し、「屋久島ポストなどでの報道や贈答の相手方に対する電話での照会等が繰り返されることなど、相手方の迷惑を考慮、配慮して差し控えることとした」と説明。さらに、同日付で出した準備書面で、「本件交際費の支出が原告らによって問題とされる中、
電話による照会が繰り返される等、 交際の相手方に迷惑がかかるなどの事情を危惧、考慮して差し控えた」と主張した。
屋久島ポスト「事実無根で名誉を毀損」と抗議
だが町長交際費をめぐる取材で、屋久島ポストが国会議員側に電話をしたことは一度もない。すべての取材はメールで行い、回答がない場合でも、催促の電話連絡などは一切しなかった。
それを踏まえ、屋久島ポストは5月10日に町総務課に電話連絡し、「取材で国会議員側に迷惑をかけていると取られる主張で、事実無根の主張で屋久島ポストの名誉を毀損している」と抗議し、陳述書と準備書面の訂正を要請。総務課の岩川課長は「課内で対応を検討する」と答えていた。
事実無根の主張で訴訟継続
しかし、町は5月26日に屋久島ポストにメールを送り、「電話で要請があった陳述書及び準備書面の修正は、係争中であることから回答を控えます」などと連絡。事実無根の主張を放置したまま、住民訴訟を続ける構えだ。
■町長交際費 関連記事一覧


 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											