海底清掃問題

総事業費1700万円の支出は法令違反 屋久島町海底清掃事業・住民訴訟

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予定価格の設定を怠り業者の「言い値」で契約
町「事務的な瑕疵があった」

屋久島町契約規則などに違反した事業支出
ふるさと納税1

【上左】海底清掃事業を請け負ったJTBパブリッシングが入るJTBグループのロゴとスローガン【上中・上右】「屋久島町ふるさと納税」と屋久島町のロゴ(町ウェブサイトより)【下】屋久島町がJTBパブリッシングに業務委託して制作した観光ガイド冊子「るるぶ特別編集
屋久島」


 ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報を紹介するガイド冊子や動画の制作費に支出された問題をめぐる住民訴訟――。

 この事業を請け負ったJTBパブリッシング(本社・東京都江東区)と業務委託契約を結ぶ際に、町が法的に義務付けられた予定価格を設定していなかったことについて、担当の観光まちづくり課は1018日、「事務的な瑕疵」があったことを屋久島ポストの取材に認めた。予定価格は、国や地方自治体などが公共事業を発注する際に事業費の上限として決める金額。地方自治法や屋久島町契約規則などで設定することが定められており、この事業への支出が法令に違反していたことが明確になった。

 予定価格が未設定だった問題は、9月19日に屋久島ポストの取材で明らかになった。その後、観光まちづくり課は法的な検討をしていたが、住民訴訟の代理人弁護士から「事務的な瑕疵があった」との見解が示されたという。

住民訴訟の原告「見積額を精査する必要があるのは当然」

 住民訴訟の原告である渡辺千護町議は町に対し、この事業への支出に複数の違法性があるとして、荒木耕治町長ら幹部3人に総事業費である約1700万円を損害賠償請求するように求めている。渡辺町議は103日に準備書面を鹿児島地裁に提出し、訴状に加えて次のような主張をしている。

<被告は本件事業の業務委託契約を結ぶ際に、地方自治法や屋久島町契約規則で定められた予定価格の設定を怠り、業務委託料として、JTBパブリッシングが提示した見積書と同額の16989918円で業務委託契約を結んだ。これはすなわち、同社が提示した見積額に対し、被告が適切な金額であるか否かを精査することなく、同社の「言い値」のまま契約したことに他ならない>

<予定価格を決めるにあたっては、公共事業の支出を適正に抑えるために、複数の業者から参考見積もりを取るなどして、一般社会における適切な金額に設定することが求められる。それは本件事業のような特命随意契約でも同じであり、競争入札を実施しない場合であっても、業者が提示した見積額を精査する必要があるのは当然のことである>

<よって、本件事業で被告が同社と結んだ業務委託契約は、地方自治法および屋久島町契約規則に違反するもので、被告が業務委託料として支払った16989918円は違法な支出であり、その全額が屋久島町の損害になっていることは明らかである>

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