真っ黒だった海底清掃事業1700万円の見積書 一転して全面開示に 屋久島町・環境保全プロジェクト
町、情報公開請求に対し「営業秘密に関する情報」と全面黒塗り ➡ 再請求で「業者側の了解が得られた」と全面開示
【左】JTBパブリッシングが屋久島町に提出した見積書。当初、町は開示する際に内訳をすべて黒塗りして全面非開示にした【右】再度の情報公開請求で、町が全面開示した見積書の内訳
全国から寄せられた「ふるさと納税」の寄付金1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業をめぐり、町は12月27日、これまで全面黒塗りの非開示としていた事業費の見積書内訳について、一転して全面開示した。町が10月27日付で非開示とした判断に対し、屋久島ポストが「市民の知る権利を侵害している」と抗議したうえで、11月28日に情報公開を再請求していた。
JTBパブリッシングが屋久島町に提出した見積書。再度の情報公開請求を受け、一転して町は全面開示した
事業費の大半が広報費 海底での清掃は計2時間
この海底清掃事業で町は、「屋久島の自然を守って欲しい」と寄せられた約1700万円の寄付金から事業費を支出。だが、実際には事業費の大半が海底清掃そのものではなく、清掃活動の成果などを広報する動画と観光パンフレットの制作費に使われたほか、海底での清掃時間が計2時間だったことなどが、屋久島ポストの取材でわかっている。
海底清掃の関連事業として制作された観光パンフレット「るるぶ 特別編集 屋久島」の表紙
町、業者側の意向に沿って開示か否かを判断
町は当初、随意契約で業務を委託した旅行大手JTBの関連会社「JTBパブリッシング」などの意向を聞いたうえで、見積書の内訳が「営業秘密に関する情報」だとして、全面黒塗りの非開示と判断。「屋久島町情報公開条例」の第7条4号の規定を根拠にして、「見積書内訳は、見積者が独自の技術ノウハウや経験を基に作成した営業秘密に関する情報であって、公にすることによって競合他社との関係において競争上の地位が低下するおそれがあると認められ、当該法人等の権利その他正当な利益を害する恐れがある」と説明していた。
今回、一転して全面開示とした理由について、町観光まちづくり課の泊光秀課長は屋久島ポストの取材に「事業を請け負った業者側からの了解が得られため開示した」と説明。開示するか否かを判断するにあたり、町側から希望や考えなどを伝えたことはなく、すべて業者側の意向に沿って決めたとしている。
【動画】屋久島町が制作した動画「海・山・川の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」(短編バージョン)
この内容なら隠したいだろう。
屋久島町の環境保全をして欲しいと寄付をした人が見たら
非常に残念がるはずです。