見積もりで領収書がもらえる町:【検証 屋久島町政】(17) 出張旅費不正問題

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町長の次は副町長、「見積もりの領収書」で不正精算

虚偽領収書を使って、私的な東京旅行の旅費を混ぜ込む

(この検証シリーズは随時掲載しています)


見積もりの領収書1
岩川浩一副町長(当時)が町に提出した「見積もりの領収書」。金額と但し書きが実際とは違っていた

 屋久島町役場と町議会の幹部をめぐる出張旅費不正問題は、航空券のシルバー割引を悪用した荒木耕治町長と岩川俊広議長の件で、ほぼ不正の事実は出尽くしたと思われていました。ところが2020年2月、町が開示した出張記録を基に取材を進めると、思いもしない事実が判明します。

 荒木町長に続いて、なんと岩川浩一副町長(当時)までもが出張旅費の不正精算をしていたことがわかりました。それも、今度はシルバー割引ではなく、虚偽の領収書を旅行会社から発行してもらい、それを旅費精算書に添付して、実際より高額の航空運賃を受け取っていたのです。

 町役場の副町長室を訪ねて事情を聴くと、岩川副町長はこう釈明しました。

「これは見積もり段階でもらった領収書だと思う」

「受け取った後に私事旅行のために予約を変えた」

「事務手続き上のミスで、そのまま誤った領収書で精算してしまったようだ」

  予約の変更はわかりますが、「見積もりの領収書」という言葉は初耳でした。

  つまりは、航空券代を支払う前に領収書を受け取ったということですが、この世の中で、そんな領収書が存在するとは思えません。そこで、発行された経緯を尋ねると、「詳しいことは旅行会社に聴いてほしい」と言うばかりで、それ以上の説明をしようとはしませんでした。


今回のポイント

・荒木町長に続いて、岩川副町長の出張旅費不正精算が発覚

・岩川副町長は不正精算の領収書について「見積もりの領収書」と説明

・現金を支払う前に領収書を受け取った経緯の説明はなし

 今回は、2020222日に掲載した記事「副町長『見積額の領収書』で旅費精算 往復72220円、実際は片道261110円のみ支払い 屋久島町出張旅費不正問題」をみてみましょう。

    *

 屋久島町の岩川浩一副町長が県外への出張で、出張旅費を不正に受け取っていた問題。その後の取材で、岩川副町長が20174月に名古屋などに出張した際に、実際の支払い金額や移動経路とは違った内容が記載された航空券代の領収書を添付して、旅費の精算をしていたことがわかった。岩川副町長は「見積もり段階の領収書」を誤って添付したと釈明。支払い前に領収書が発行された点については、「旅行代理店が見積り額として出したようだ」としている。

20170421名古屋出張③

岩川浩一副町長が旅費精算で添付した「見積額の領収書」。金額に7万2220円、但し書きに鹿児島~名古屋航空券代と記載されているが、実際の金額2万6110円、但し書きは名古屋~鹿児島
片道航空券代だった

 岩川副町長や町が開示した出張記録によると、副町長は2017418日、鹿児島市と名古屋市へ出張する旅費の仮払いを申請し、鹿児島と名古屋の往復「航空賃」として、片道36110円、往復で計72220円を受け取った。その後、421日~24日に出張した後、26日に町役場内で旅費を精算。仮払い時に受け取った概算額と同じ金額のまま精算を終えたという。

 だが実際には、岩川副町長は421日に鹿児島市での公務を終えた後、私用で東京へ航空機で行き、その後、新幹線で名古屋へ移動。公務を終えた後、片道26110円の航空券で名古屋から鹿児島へ航空機で行き、24日に屋久島へ戻ったという。

20170421名古屋出張②-3

出張後、岩川浩一副町長(当時)が旅費の精算で作成した明細書は、仮払い時の概算額などと同じ内容で、鹿児島と名古屋の往復「航空賃」として、7万2220円と記載されていた。しかし実際の金額は、名古屋と鹿児島の往復航空券代の2万6110円だった

 当初の出張予定と、実際の移動経路が違う点について、岩川副町長は取材に対し「移動日を利用して、私的な用事で東京を訪ねたが、旅費条例上は問題ない」と説明。一方、実際に購入した航空券代の26110円と比べ、領収書の金額が46110円高く記載されている点については、「誤って、見積もり額の領収書で精算してしまった」と述べている。

 旅行代理店が見積り段階で発行し、岩川副町長が旅費の精算で誤って添付したとされる領収書には、「鹿児島~名古屋航空券代」の但し書きで、72220円の金額が記載されている。

    *

今回の教訓:支払い前に領収書はもらえない

 「見積もりの領収書」の存在が発覚した時にはわかりませんでしたが、この問題などで前副町長の岩川浩一氏は詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で刑事告発され、202010月に検察で起訴猶予の不起訴処分となりました。起訴猶予になったのは、容疑の事実は認められたが、辞任や減給などで一定の社会的制裁を受けたからです。つまり、岩川氏は虚偽の領収書を使って精算していたことになります。

 その一方、起訴猶予で裁判が開かれなかったため、岩川氏が警察や検察の取り調べで、どのような説明をしたのかはわかりません。でも、ただ一つ、明確に言えることがあります。

 支払いを済ませる前には、領収書が発行されることも、領収書を受け取ることも、絶対にあり得ません。それゆえ、岩川氏は不起訴のなかでも一番重い処分の起訴猶予になったのでしょう。

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  1. 小脇清保

    公金を何と思っていたのか、これが町のトップの不正ですから、あきれて物が言えません。
    この報道に対して、名誉毀損で訴えると息巻いていましたが、その後どうなりましたか⁉️
    訴えていないところをみれば、やはり貴方は不正行為をしていたということです。
    今からでも遅くありません。名誉毀損で訴えてください。

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