荒木町長、知人社長に3年で50万円分を贈答 屋久島町長交際費問題
入山協力金3000万円横領事件に対する寄付2100万円の返礼
寄付総額8630万円、ほかの個人や団体の寄付には返礼なし
【左】入山協力金横領事件を受けて、記者会見で謝罪する屋久島町の荒木耕治町長(2019年2月25日、屋久島町役場)
【右】入山協力金の納入を呼びかける看板
屋久島町の荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費で多額の贈答をしていた問題をめぐり、過去3年間に約50万円分の贈答品が、町長の知人で東京の民間会社の社長に贈られていたことがわかった。町は入山協力金3000万円の横領事件を受けて、町長の依頼で社長が2019年度と2020年度に寄付した計2100万円に対する返礼だったと説明。だが、同期間に寄付された総額は約8630万円で、ほかに大口寄付をした個人や団体に返礼した例はなく、荒木町長は「今後は改めたい」としている。
焼酎121本、屋久杉の万年筆などを贈答
屋久島ポストが開示請求した交際費の支出記録によると、2019~2021年度の3年間で、荒木町長が民間会社の社長に贈答したのは計18件で、金額は48万3825円だった。
最も多いのは焼酎121本の25万436円で、「三岳」や「水ノ森」といった人気銘柄に加え、特製の屋久杉箱に入った「愛子」(2万4000円)などを贈答。そのほかでは、屋久杉の万年筆とボールペンセットが10万8000円、タンカンやパッションフルーツなどの果物が9万9016円、魚介類のイセエビが2万6373円だった。
荒木耕治町長が公費で贈答した焼酎やイセエビ、タンカン、パッションフルーツ
多数の寄付のうち知人社長だけに返礼
これらの贈答について町総務課は、2019年に発覚した入山協力金3000万円の横領事件を受けて、町長の知人で東京の民間会社の社長が横領額を補填するために、大口の寄付をしたことに対する返礼だったと説明。荒木町長の依頼で社長が寄付したのは、2019年度に1100万円、2020年度に1000万円の計2100万円だった。
一方、「ふるさと納税」を除き、その2年間で集まった寄付金は計8632万2629円で、個人や団体が数百万円~1000万円を寄付したケースもあった。しかし、荒木町長が贈答で返礼したのは知人の社長だけだった。
町「法的責任はない」と主張 管理責任は不問に
入山協力金は世界自然遺産・屋久島の山岳環境を守るために、屋久島町が町の条例に基づいて登山者から集める任意の寄付金で、町や鹿児島県、国などの関係者でつくる屋久島山岳部保全利用協議会(会長・荒木耕治町長)が収納業務を請け負っている。中学生以上の登山者から日帰り1000円、山中泊2000円を集め、当時は年約6000万円が寄せられていたが、協力金を集める協議会の職員が3000万円を横領。町はその職員1人に管理を任せたうえ、通帳の確認や監査も怠っていたため、町議会では町の管理責任を問う声が上がった。
しかし、荒木町長ら町幹部は、町ではなく協議会の職員が起こした横領事件だとして、「町に法的責任はない」と主張。さらに「協議会は任意団体の『権利能力なき社団』で、法的責任が負えない」として、会計管理の責任は不問にされ、町が横領された寄付金を補填することはなかった。
入山協力金横領事件を受けて、記者会見で謝罪する屋久島町の荒木耕治町長=左(2019年2月25日、屋久島町役場)
元職員、町長の出張旅費着服事件で弁済を一時拒否
一方、懲戒免職になった協議会の元職員は、刑事告訴後に逮捕されて有罪となり、当初は横領した3000万円の半額ほどを返還したうえで、毎月10万円を弁済していた。だが、その後に荒木町長による約200万円の出張旅費着服事件が発覚し、それでも町長が辞職しないことを理由に、一時的に支払いを拒否。町と訴訟になり、当初の約束通り弁済することで和解したが、全額を弁済するまでには10年以上かかる見込みだ。
入山協力金への協力を呼びかける看板。日帰り1000円、山中泊2000円の寄付を求めている
荒木町長、寄付返礼の予算なく「交際費で出すしかなかった」
荒木町長によると、この入山協力金横領事件を受けて、知人の社長に相談したところ、大口寄付での協力を得られた。そして、寄付を受けるにあたり、制度として返礼品がある「ふるさと納税」ではなく、全額を入山協力金に寄付したいと言われたという。
その状況を受けて、荒木町長は取材に「両親から(誰かに)世話になったら、お礼をするように言われて育った。自分ができる範囲であれば、何か(お礼を)返すものだというのが自分のなかにある」としたうえで、寄付の返礼ができる予算がないため、「ここ(交際費)から出すしかなかった」と説明。だが、多数の寄付のなかで知人の社長だけに返礼をしていることや、公費による高額な贈答を疑問視する指摘を踏まえて、「今後は改めたい」としている。
■民間会社の社長に贈られた贈答内容
・2019年4月
贈答品:焼酎/三岳原酒(720㎖)×12本
金 額:3万2533円
・2019年5月
贈答品:焼酎/三岳(1.8ℓ)×2本、愛子(1.8ℓ)×2本、水ノ森(1.8ℓ)×2本
金 額:1万6569円
・2019年5月
贈答品:屋久杉 万年筆・ボールペンセット
金 額:10万8000円
・2019年6月
贈答品:焼酎/三岳(900㎖)×12本、三岳原酒(720㎖)×12本、愛子(900㎖)×12本、水ノ森(720㎖)×12本、太古屋久の島(900㎖)×12本
金 額:10万8630円
・2019年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2019年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:9000円
・2020年3月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
金 額:1万2000円
・2020年6月
贈答品:イセエビ
金 額:2万6373円
・2020年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2020年12月
贈答品:焼酎/三岳(900㎖)×4本、愛子(900㎖)×4本、水ノ森(720㎖)×4本
・2020年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:1万1400円
・2021年2月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
金 額:1万2000円
・2021年2月
贈答品:タンカン(5kg)×1箱
金 額:4000円
・2021年5月
贈答品:焼酎/愛子(900㎖)×15本、水ノ森(720㎖)×15本
金 額:4万9690円
・2021年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2021年10月
贈答品:焼酎/屋久杉箱入り愛子(1.8ℓ)×1本
金 額:2万4000円
・2021年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:1万1400円
・2022年2月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
■屋久島町長交際費問題の記事一覧
知人社長とはいえ、返礼の金額といい、回数といい、異常過ぎませんか?
寄付は大変ありがたいことで感謝しますが、個人的にもいろいろと利害があるのではないかと、疑ってしまいます。
あまりにも常識外れの返礼品に加え、その他に寄付した人たちには何も返礼をしておらず、知人社長だけに返礼しているのですから、何か裏にあると疑いたくもなります。
それにしても、この町長の社会人としての金銭感覚の異常さには驚きます。
こんな非常識な町政が今後も続くようでは、町民は救われません。ご退陣下さい。
一人の方にだけ返礼するのは個人的にお付き合いのある方だからですか。
ご両親は公金でお返ししなさいと言ったのですか。
自分でできる範囲と言うなら、ご自分のお財布からして下さい。
公金での交際費の概念がかなりずれていますね。
町長としての職権乱用も甚だしい。
任期を待たずに即刻辞任して下さい。