荒木町長、国会議員への贈答を中断して丸1年 屋久島町長交際費問題
住民訴訟で町、国会議員への贈答は「町政にとって重要かつ必要不可欠」➡ 焼酎、イセエビ、ポンカンなどの贈答をすべて中断
【左上】荒木耕治町長【右上】国会議事堂(Wikimedia Commonsより)
【下】荒木町長が国会議員に贈答していた(左から)タンカン、焼酎、イセエビ
 屋久島町の荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去5年間に約370万円分の贈答品を国会議員らに贈っていた問題で、荒木町長が「屋久島特産品のPR」として積極的に焼酎などを贈ってきた国会議員への贈答が、2022年6月を最後に1年間にわたって中断していることがわかった。姉妹都市などにポンカンとタンカンは贈っているが、贈答先に国会議員は含まれていない。交際費の一部返還を求める住民訴訟で被告の町は、国会議員への贈答は「町政にとって重要かつ必要不可欠」などと主張しているが、その「必要不可欠」であるはずの贈答を1年間も中断していることになる。
姉妹都市へポンカンとタンカンの贈答は継続
町が開示した町長交際費の支出記録によると、荒木町長は2022年6月に「衆議院議員」(※個人名は黒塗り非開示)らに焼酎11本を贈って計2万6030円を支出して以降、2023年6月までの1年間にわたって国会議員への贈答を中断。2022年12月にポンカンを姉妹都市(青森市、大分県日田市、熊本県菊陽町)に贈って2万円、2023年3月にタンカンを姉妹都市(同)と親善大使「屋久島いとこ」へ贈って4万2550 円をそれぞれ支出しているが、毎年恒例で贈っていた国会議員や鹿児島県知事らへの贈答はなかった。
町、中断理由に「取材で迷惑がかかる」
国会議員らへの高額贈答をめぐっては、同町の住民が町を相手取り、荒木町長に贈答で使った約200万円を賠償請求するように求める住民訴訟を提起し、鹿児島地裁で審理が続いている。
 国会議員への贈答を中断している理由について、町は4月にあった第2回口頭弁論で、屋久島ポストが繰り返し電話取材などをすることで、贈答先の国会議員側に「迷惑がかかるなどの事情を危惧、考慮して差し控えた」と主張した。だが、屋久島ポストが国会議員に電話取材で迷惑をかけた事実はないため、屋久島ポストは町に対し事実無根の主張だと抗議。裁判所に提出した準備書面などの訂正を求めているが、町は「係争中」を理由に応じていない。
一転して「訴訟提訴で贈答を控えている」
 その一方、訴訟関係者によると、7月19日にあった第3回口頭弁論で、裁判官から現在の贈答の実施状況について問われた町は、「住民訴訟が提訴されていることもあり、贈答を控えている」と答えたという。
■町長交際費 関連記事一覧

 
																	 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											