荒木町長、年間100万円の交際費予算を減額する方針 屋久島町長交際費問題

yakushima-post

森山衆院議員に焼酎180本など贈り5年間で60万円支出  2023年度は国会議員への贈答なく年16万円に激減

屋久島町議会一般質問
国会と屋久島町役場

【上】国会議事堂(Wikimedia
Commons
より)【下】屋久島町役場【中段左右】町長交際費で国会議員らに贈答された屋久島産の焼酎


 屋久島町長の交際費で国会議員らに高額な贈答が続けられていた問題をめぐり、荒木耕治町長は99日の町議会一般質問で、毎年100万円で組まれている交際費予算を減額する方針を明らかにした。高額贈答の違法性を問う住民訴訟が提起された2022年秋以降、町長による贈答は激減。2023年度に使われた交際費は約16万円で、国会議員への贈答はなかった。

知人社長には3年間で38万円分の贈答

 屋久島ポストの取材によると、荒木町長は20172021年度の5年間に約370万円の交際費を使い、国会議員や鹿児島県知事、知人社長らに高額な贈答を続けていた。自民党の森山裕衆院議員(鹿児島4)には高級焼酎180本やイセエビなどの魚介類を贈り、少なくとも計約60万円を支出。また、知人社長には一度に焼酎60本を約11万円で贈るなどして、3年間で計約38万円を町の公金から支出した。

真辺町議「年100万円の予算は多すぎる」

 この日、一般質問に立った真辺真紀町議は、2023年度に支出した交際費が慶弔費も含めて約16万円だったことを踏まえ、「今の支出状況をみると、年100万円の予算は多すぎる。削減するつもりはないか」と問いただした。それに対し、荒木町長は「全然、(削減は)難しくはない」と答弁し、具体的な金額には言及しなかったが、交際費予算を減額する考えを示した。

返礼品「町職員が消費するのは到底認められない」

 また、ポンカンやタンカン、パッションフルーツなど、町が屋久島の特産品を贈った姉妹都市からの返礼品について、真辺町議は「どのように消費されているのか、明確になっていない」と指摘。町役場の職員が食べて消費しているとの情報もあるとして、「公費で贈答し合った果物などを、不特定多数の町民ではなく、町役場の職員が消費するのは到底認められない」と訴えた。

荒木町長、返礼品は「ほとんど私が消費している」

 この主張を受けて、荒木町長は「今後は贈られてきた品に応じて、消費の仕方を考えていきたい」と回答。それに対し真辺町議は、兵庫県の斎藤元彦知事が視察先で受け取ったカキやカニなどを秘書課の職員だけに配るのは問題になるので、すべて知事が自分で持ち帰ったと県議会の百条委員会で証言したことを踏まえ、「(屋久島町でも)どのように消費しているのか、(町民から)疑念を持たれている」と指摘。今後の消費方法について、町長が考える具体案を尋ねた。

 答弁に立った荒木町長は、「今までの返礼品は、ほとんど私が消費しているのが事実」と説明。返礼品は果物などの生ものが多く、数も多くないため、「こども食堂などの公の場で使ってもらうような方法を考えていきたい」とした。

贈答できる金額は「社会通念上妥当と認められる額」のまま

  一方、贈答1件あたりの上限額を1万円にする真辺町議の提案について、荒木町長は「県内の自治体における支出基準を調べたところ、金額が定められている自治体はなかった」として、現在の町要綱で定める「社会通念上妥当と認められる額」を変更する必要はないと答弁。ただし、町長交際費をめぐる住民訴訟を受けて、「その後の交際費の支出については、さらに慎重を期している」と述べた。

贈答の大半、住民訴訟で違法か否かは判断されず

 屋久島町長の交際費をめぐっては202211月、国会議員や知人社長らへの高額な贈答が違法な支出だとして、町に対し荒木町長に約193万円を賠償請求するように求める住民訴訟が提起された。そして、鹿児島地裁は20243月、その大半の訴えに対して、支出が違法か否かを判断することなく請求を却下。訴訟の前提要件となる住民監査請求が、交際費の各支出から1年以上を過ぎて出されたことを踏まえ、法が定める「監査請求期間を徒過しており、不適法」な住民監査請求だったとする判決を言い渡した。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  1. 時代遅れも甚だしい

    今では時代遅れの感覚です。
    国会議員を筆頭に金銭問題が表面化し、住民の批判が沸騰しているなかで、田沼意次の江戸時代ではあるまいし、物で関心を買おうとすることが間違いです。
    公人であれば、贈られる方も問題になり、迷惑千万であり、受け取りを拒否されるのが常識です。
    それで支出が大幅に少なくなったことは容易に理解できます。
    議員に指摘されるまでもなく、予算編成の時点で見直すべきです。

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました