【南日本新聞】4人の出馬表明は「町政不信」などが背景 屋久島町長選2023
新人3人「屋久島の悪いイメージを変えたい」「町民目線と乖離」「町政の信頼回復が必要」➡
現職の荒木氏「町と町民の距離を縮める仲介役になれれば」の珍コメント
南日本新聞が町長選の展望記事を掲載
屋久島町長選への出馬を表明している【左上】岩川卓誉氏、【左下】矢野憲一氏、【右上】荒木耕治氏、【右下】小脇清治氏(写真はいずれも各氏のウェブサイトより)。【中央】2023年9月15日付の南日本新聞に掲載された同町長選の展望記事(※著作権保護のため記事本文にモザイク加工をしています)
 出張旅費不正精算や補助金不正受給といった問題で、町民に不信感が広がり、世代交代を求める声も出ている――。
今年10月の屋久島町長選を前に、南日本新聞は9月15日、「県政・総合」面で同町長選の展望記事を掲載した。「4人が立候補表明」の見出しで、現職1人と新人3人が出馬を表明し、12年ぶりに四つ巴の選挙戦になる見込みであることを紹介。その背景には、現町政で続く出張旅費着服や水道工事の補助金不正受給など、度重なる不正や不祥事で町民に不信が広がっていることに加え、世代交代を求める声が出ていることがあると指摘している。
新人3人は荒木町政を手厳しく批判
「背景に町政不信 世代交代論も」の見出しも並ぶ記事で目を引くのは、各候補者のコメントだ。
前町議の岩川卓誉氏(36)は「屋久島の悪いイメージが島外で広まっていると聞く。そういう状況を変えたい」。安房電気利用組合長の小脇清治氏(79)も「町民目線と乖離しており、是正しないと町民のためにならない」と指摘。さらに、クリーニング業などを営む矢野憲一氏(56)は「町政のマイナスイメージの払拭と信頼回復が必要」として、3人とも現町政を手厳しく批判している。
距離が遠くなったのは「荒木町長」と「町民」
それに対して、現職の荒木耕治氏(73)の反応は実に興味深い。
まずは「町民の信頼を失ったという思いはある」と反省をしながらも、4期目を集大成と位置付けて「町と町民の距離を縮める仲介役になれれば」と語ったという。
しかしながら、町と町民の距離が遠くなった責任は、ほかの誰でもない荒木氏にある。さらには、実際に距離が遠くなったのは「町」と「町民」ではなく、「荒木町長」と「町民」だ。その当事者である荒木氏が「仲介役」になれるはずもなく、まずは自分自身の信頼を回復することが求められる。
3期12年 有権者に広がる荒木町政に対する不信
記事の後半では、「役場が遠い存在になってしまった」「若者が住めるような環境をつくってほしい」といった町民の声も紹介。屋久島町で暮らす1万人弱の有権者の間に、3期12年にわたる荒木町政への不信や不満が広がっていることを伝えている。

 
																	 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											