【動画】「許せない荒木耕治町長ら町職員の非情な態度」 屋久島町営牧場・過重労働死訴訟

yakushima-post

「亡くなって6日目に町幹部から説明」「一人勤務でなければ助かっていた」「公務災害の申請ができず憤慨」

遺族支援の会が遺族コメントを公表


【動画】屋久島町営牧場で過重労働死した田代健さんの遺族が記者会見で公表したコメント【写真左】田代健さん(遺族提供)【写真右】屋久島町の荒木耕治町長(「町報やくしま」より)

 20198月に屋久島町営の長峰牧場で町職員の田代健さん(当時49)が公務中に死亡し、過重労働による公務災害と認定された問題を受けて、田代さんの遺族は1019日、屋久島町(荒木耕治町長)を相手取り、約7000万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴した。

 この日、提訴に先立ち鹿児島県庁で開かれた記者会見では、住民有志でつくる「屋久島町営牧場・過労死家族を支援する会」の世話人が遺族から託されたコメントを読み上げ、長時間にわたる過重労働の末に亡くなった家族への思いを伝えた。

■田代健さん遺族のコメント

 私たちの息子であり、きょうだいである健は突然、私たち家族の前からいなくなりました。

 いつも穏やかで、怒ることもなく、優しい子でした。まったく休みが取れない状況で仕事をしても、ひと言も愚痴を聞いたことはありませんでした。ときおり体調を心配して、「休みがないけど大丈夫なの?」
と聞いていましたが、いつも健はひと言、「大丈夫」と笑顔で答えて、早朝から牧場に通っていました。

遺影)田代健さん③

 そんな健は、仕事中に命を落としました。たった一人で…一人っきりで。

 健の死を受け入れることができないまま、通夜・告別式と続き、私たち家族は憔悴してしまい、呼吸をするのもしんどい日々をすごしてきました。

 当初、健が亡くなったことについて、屋久島町役場からは何の説明もありませんでした。そして、亡くなってから6日目になって、ようやく町の幹部たちが家に来て、死亡当日の状況や、今までの勤務状況について説明をしていきましたが、なぜあんなに遅くなったのか、いまでも不信でいっぱいです。

 それから何度も町役場で話し合いをしましたが、公務災害の申請をなかなかしてもらえなかったり、一連の手続きがなされないまま4カ月間も放置されたりと、憤慨する対応が続いてがっかりしました。

 なぜ、健は大切な命を落し、これから先の楽しい未来を失ってしまったのか。どうして、あんな山のなかで、たった一人で死んでしまったのか、という思いが頭から離れることはなく、あの日から悲しみに暮れる毎日が続いています。

 そして、いまでも残念でならないのは、一人で勤務していなければ、そばに誰かがいてくれていたら、健の命は助かっていたのではないかということです。

 いま私たち家族は、どうして「無理して働かなくていいよ」と言ってあげられなかったのかと、自分たちを責めてばかりいます。それは一生消すことができない後悔です。

 職員が過重労働で亡くなったことは、まぎれもない事実です。それにもかかわらず、町の幹部たちの態度は冷たいものでした。もし親身になって、しっかりと受け止めてくれていたら、誠意をもって対応してくれていたら、私たちの思いをくんで動いてくれていたら、私たちは、こんなに悲しい思いをしてはいませんでした。

 私たち家族は、荒木耕治町長をはじめ、屋久島町役場の職員たちの非情な態度、表情、行動のすべてを許すことはできません。

 最後になりますが、健の父と母はともに80歳を超える高齢ではありますが、この裁判がおわる最後の最後まで、きちんと生きていきたいと考えております。

20231019

田代健 遺族一同

■屋久島町営牧場 過重労働死問題 記事一覧

To TOP PAGE

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  1. 島民です。

    町長他当時の課長や場長が無責任。
    動物のお産や病気などもあるのに、少人数で稼働出来るわけがない。朝も6時ぐらいからご飯食べさせるのには、5時前には出勤して準備しないといけないだろうし、お産なんて何時になるかわからない状態ですよね?
    早出も残業も盆正月の出勤も無かったことにしてた担当課長と場長も非道ですよね!
    まぁ、管理能力の低さが露呈してますよね。各所で。
    今まで働いてた方が泣き寝入りせず、皆で訴えたらいいのに。
    町も管理出来ないなら委託でもしたらいいのに

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました